FFとFRの両方で戦ったきたからこそできる分析
一方、FFマイスターの高橋選手はFFモデルの武器について「路面のグリップが低く滑りやすいコンディションと細かいコーナーが多いところであればFF車両のほうが有利だと思います。具体的にはウエットコンディションや低速コーナーが連続するステージなどが得意ですね」と分析。
これに対してFFモデルの弱点については、「前後のバランスを考えるとFF車両はエンジンもミッションも前に載っているので、FR車両のほうがいいですよね。そうなってくると緩いコーナー、たとえば中速コーナーや高速コーナーではFR車両のほうが安定していると思います」と解説する。
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そのうえで、高橋選手は「以前もFF車両とFR車両が同じクラスで走っていたんですけど、そのときにそれぞれの車両のいいところと悪いところは見えていました。それでも、一概にFF車両とFR車両だけで、圧倒的な差が生まれるわけではないと思います。ラリーではドライバーや条件によっても違いが出てきますので、FF車両でも十分に戦えると思います。FF車両とFR車両が同一クラスになれば参加台数も多くなるので面白いと思いますよ」と新JN-4クラスを展望した。
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つまり、JN-3クラス王者の山本選手、JN-4クラス王者の高橋選手の分析によると、ウエットやグラベルなどのコンディションではFFモデルが有利で、ドライの中高速コーナーではFRモデルが有利といった状況にある。
シーズンを終えたばかりの現時点では、2025年にJN-3クラスとJN-4クラスを戦ってきた各ドライバーの動向は未定だが、新規参戦ドライバーも予想されるだけに、2026年の新JN-4クラスはシリーズ屈指の激戦区となるに違いない。