業界全体を革新する取り組みの一環としてショップ展開
こうした高品質なトータルケアカーサービスを展開する背景には、アネスト岩田グループ全体に通底する「ものづくり」への誇りがある。その成果が、世界中の工場や現場で使用される製品群であり、そこには同社の技術者たちのクラフトマンシップが息づいている。オートテックベース湘南は、それを一般ユーザーが直接体感できる初めての場でもあるといえるだろう。
しかし、オートテックベース湘南の存在意義は単なるサービス拠点に留まるものではない。
ANEST IWATA A.I.R.の鈴木善之社長は、「これまで製品を作る側として市場のニーズを捉えてきたが、間接的にしか捉えられないという課題感があった」という。
「使う側」の視点を新たに製品開発に取り込むことで、より実践的で高品質なものづくりに役立てたいという強い思いが、オートテックベース湘南設立の背景には存在したのだ。
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そして、このものづくりへの高い志は、自社の製品開発だけでなく業界全体にも向けられている。
オートテックベース湘南は、塗料や工具など関係メーカーと直接協業することで、業界全体の技術革新を目指すモデルベースでもある。これは決して絵空事などではなく、すでに某大手工具メーカーとタッグを組み、女性スタッフでも作業がしやすい工具の共同開発が進んでいる。
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さらに注目したいのは、ショップ運営を通じて業界の根本課題に正面から取り組んでいる点だ。鈴木社長は、車体整備業界では「適正な価格転嫁が難しい構造」が続いていると指摘する。その原因のひとつが、設備や技術に関する明確な基準がないことにあるという。
アネスト岩田はこの問題を解決するため、メーカーの立場から技術や設備の条件を整理し、適正なコストや価格のあり方を見直す取り組みを進めている。これにより、技術が正しく評価される環境を整え、働く人々の待遇や業界全体の健全化を目指す。こうした取り組みには東南アジアでの職業学校の提携といったグローバルなプロジェクトも含まれ、このオートテックベース湘南のような施設も、国内のみならず海外にも順次展開してゆく予定となっている。
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アネスト岩田が創業から100年にわたり培ってきた技術と信頼。そのもっとも新しい挑戦となるオートテックベース湘南は、同社の新たな挑戦であり、同時にその理念を未来へと受け継ぐ象徴でもある。
繰り返すようだが、オートテックベース湘南はもちろん一般のユーザー向けのショップであり、その設備と技術は超一流。圏央道・寒川南インターを降りてすぐと関東圏からのアクセスも良好なので、湘南エリアのユーザーでなくとも、クルマのことで困った際は候補に入れるべきショップだろう。