この記事をまとめると
■駐車する際は場所を選ばないとクルマにダメージを及ぼす場合がある
■場所だけでなくクルマを駐車した際の所作も重要だ
■汚れが原因でボディが痛むケースも存在する
駐車時に潜む罠
愛車をどこに駐車するかは多くの人にとって重要な問題だ。自宅にガレージがない人は月極駐車場を借りていることだろう。立地や賃貸料によって屋根付きガレージから砂利の駐車場まで環境はさまざまだ。その場所に駐車することは、多くのドライバーにとって日々のルーティンの一部であり、あまり深く考えても仕方ないことかもしれない。
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しかし、運転と同じくらい、駐車環境もクルマのコンディションに長期的な影響を及ぼす重要な要素だ。それは、自宅以外の一時的な出先や勤務先でも同様である。便利な場所、空いている場所というだけで選んだその駐車場が、じつは少しずつ愛車を蝕んでいるとしたらどうだろうか。
今回は、愛車を守るために知っておきたい避けるべき駐車場の特徴とそのリスクについて解説していこう。日々の駐車場所を見直すきっかけとなれば幸いである。
<路面状況がもたらす下まわりへの脅威>
まず注目すべきは、クルマが接する地面の状態である。とくに「砂利」や「未舗装」の駐車場は、多くのリスクをはらんでいる。砂利の駐車場では、出入りの際にタイヤが砂利を跳ね上げ、ボディ下部やドア下部の敷居部分であるサイドシルに傷をつける可能性が高い。また、自車以外に駐車場を出入りするクルマが砂利を跳ね上げて、飛び石として自車を傷つけることもある。
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知らない間についた傷は、最初は小さくても、そこから錆が発生し、時間をかけて深刻な腐食へと進行することもある。また、砂利の粒がブレーキディスクやパッドの隙間に噛み込むことがあり、走行時に異音が出たり、ブレーキ性能が低下するおそれも無視できない。
平滑でない地面も、タイヤの一部に偏った負荷をかけ続けることがある。さらに見過ごせないのが湿度や雨水の問題である。砂利や土は水分を保持しやすく、とくに湿度の高い日本の気候では、つねに車両の下まわりを湿気に晒すことになる。これはフロアパネルやサスペンションアーム、ブレーキ部品といった金属部分の錆を誘発する要因のひとつとにもなる。
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加えて、未舗装の駐車場では雨水が溜まりやすく、水たまりを避けられない場合は下まわりへの水の跳ね上がりも増え、防錆処理が施されていない部分の腐食進行を加速させる。草地も同様で、湿気や雨水に加え、虫や小動物がエンジンルームなどに侵入する可能性もあり、配線などをかじられるといった思わぬトラブルを引き起こすことも考えられる。