フレックス・フューエル・フロンクスはガソリンでも混合燃料でも走る! インド発のスズキの挑戦はカーボンニュートラル時代の新しい選択肢だった【ジャパンモビリティショー2025】

この記事をまとめると

スズキはインド市場を軸としてフレックス・フューエル技術を拡充してゆく

■FFV仕様のフロンクスをジャパンモビリティショー2025で展示した

■4輪に加え2輪でも100%バイオ燃料に挑み確かな成果を示している

インド初の提案でカーボンニュートラルを推し進める

 インドという大市場をターゲットのひとつにしているスズキは、カーボンニュートラル技術に対して積極的に取り組んでいる。とりわけフレックス・フューエルというガソリンとバイオエタノールの混合燃料に関しては、ここ数年で大きな進歩をとげており、さまざまなモデルに対応車種を増やし続けている。

 ジャパンモビリティショー2025でもFFV(Flex Fuel Vehicle)仕様のフロンクスが展示されており、かたわらにはフレックス・フューエルのプレゼンテーションボードが立ち並ぶ。外観上はいたってノーマルのフロンクスで、エンジンルームを覗いても1.2リッターの直噴ターボユニットになんら変わりはない。が、燃焼技術や制御については最先端を走っていて、シリンダー内壁やピストンリングなどスズキならではのノウハウが盛り込まれているのだ。

 インド市場は早くからバイオエタノールが10%混合されたガソリン「E10」が導入されており、インド政府はこれを20%にした「E20」の導入も計画している。こうした政策に対応すべく、スズキは日夜フレックス・フューエル技術の向上には余念がないどころか、かなりのアドバンテージを有しているのだ。

 日本でも2028年には一部の地域でバイオエタノールを導入することが予定されており、今回のジャパンモビリティショーでの展示、アピールにつながっているに違いない。

 ちなみに、クルマだけでなくスズキはバイクでもフレックス・フューエル化を進めており、鈴鹿8時間耐久にバイオエタノールガソリンを使ったマシンでエントリー、見事に完走を遂げている。しかも、2025年は混合ではなく100%バイオフューエルという挑戦だったにもかかわらず、33位というポジションまで手に入れているのだ。

 これまで、バイオエタノールは割高だとか、パワーが出づらいといったネガが先行していた感があるものの、スズキはそうしたハードルを着実に越えてきたようだ。フロンクスというこれからのスズキを担うようなモデルを選んで展示してきた事実こそ、そうした自信の表れに違いない。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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