次世代のスバルは「イノハブ」から生まれる! エンジニア同士のコミュニケーションを大切にするオシャレ研究施設「イノベーションハブ」に潜入 (2/2ページ)

イノベーションハブから生み出される新しいクルマに期待大

 まずは1階から。目立っていたのは「共創ホール」と名付けられたスペースだ。この建物におけるもっとも大きなホールということだが、共創というネーミングにコミュニケーションを重視したセンターを作るという強い意思が感じられた。

 2階は会議室、3階は社員食堂ということでサラリと見学したが、目に留まったのは3階のリフレッシュルーム。酸素カプセルやランニングマシンなどの並ぶリフレッシュルームは、昼休みだけでなく、就業時間内でも許可を得れば利用できるという。エンジニアの頭をほぐし、新しい発想を生み出そうという狙いがあるようだ。

 4階から6階までは執務エリアで、全席フリーアドレスになっているという。さらに、各フロアには気軽にミーティングできるフリースペースがあったり、思いついたアイデアをすぐにカタチにできる3Dプリンターを備えた工作スペースがあったりする。

 そして、フリーアドレスではあるが、全社員のおおよその位置を自由に検索するシステムも備えている。ディスカッションやミーティングをしたい相手を見つけやすいような工夫もされている。まさにものづくりにおけるイノベーションを起こすための空間づくりとなっているのだ。

 そして、部署の壁にとらわれない、大部屋的なコミュニケーションが取れることで、新たなアイディアが続々と生まれているという。冒頭で紹介した2台のコンセプトカーは、そうしたイノベーションハブの成果といえそうだ。

 ところで、失礼ながら「スバルらしくないなぁ」と感じたのは、4階から6階までの吹き抜け空間を上から眺めたとき。ルーツは中島飛行機、旧社名は富士重工業と質実剛健なイメージを伝統的に持っている印象だが、まるでIT企業のようなフレンドリーで自由闊達な雰囲気となっていた。

 6階をマウントトップ、5階をレイクサイド、4階をパーク&キャンプと名付けている感覚も、さまざまなSUVラインアップで支持を広げているスバルらしいといえそうだ。

 なお、7階は回転式テーブルを備えたスタジオなどがあり、実車を持ち込んで、いろいろな検討や確認ができるスペースになっている。

 各フロアに車両を搬入するためのエレベーターも備わるなど、肌感覚で次世代テクノロジーを開発しているイノベーションハブ。ここから、どんなスバル車が生まれてくるのか、おおいに楽しみだ。


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山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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