この記事をまとめると
■ヘイッキ・コバライネン選手はF1からスーパーGTを経て全日本ラリーに参戦している
■コバライネン選手は2025年のラリージャパンを最後に日本での活動を終える
■コバライネン選手のアグレッシブな走りを日本で見られなくなるのは残念だ
2025年で日本でのラリー活動を終了するコバライネン選手
 WRC第13戦「フォーラム8 ラリージャパン2025」が11月6〜9日、愛知県・岐阜県で開催。トヨタGAZOOレーシングWRT、ヒュンデ・シェル・モビスWRT、Mスポーツ・フォードWRTの各ワークスチームのドライバーを筆頭に、WRC2ではオリバー・ソルベルグ選手、ガス・グリーンスミス選手など、Rally1でも活躍したドライバーや新井大輝選手、勝田範彦選手、奴田原文雄選手などRally2を武器に全日本ラリー選手権で活躍したメンバーが顔を揃える。
 そのなかで注目を集めているドライバーが、2025年の全日本ラリー選手権のJN-1クラスでチャンピオンに輝いたヘイッキ・コバライネン選手だといえるだろう。
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 ご存じのとおり、コバライネン選手は2006年から2013年までF1で活躍したフィンランド人ドライバーで、2015年から2021年にかけてはスーパーGTのGT500クラスで活躍。同時に2016年からは全日本ラリー選手権にも参戦しており、2021年にはトヨタGT86 R3を武器にJN-2クラスでチャンピオンに輝いた。
 その勢いはスーパーGTでの活動を休止し、ラリー活動に専念した2022年も健在だった。シュコダ・ファビアを武器に最高峰のJN-1クラスでタイトルを獲得。さらに2025年にはトヨタGRヤリスRally2を武器にJN-1クラスで2度目のチャンピオンに輝いたのだが、そのコバライネン選手は、2025年のラリージャパンを最後に日本でのラリー活動を終了することを発表した。
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 コバライネン選手はなぜ日本でのラリー活動を終了することにしたのか? 全日本ラリー選手権で印象に残っていることは? ラリージャパンの意気込み、そして、今後のプランは? 11月2日、ラリージャパンの事前テストに参加したコバライネン選手を直撃してみた。
──コバライネン選手は2016年に全日本ラリー選手権への参戦を開始しましたが、そもそもきっかけは何だったんですか?
コバライネン選手:当時、スーパーGTに参戦していたんですけど、インターバルが多かったので、もっと頭や目をアクティブに保つために、何か運転する必要を感じていました。そんなときにラックラリーチームの勝田照夫さん(注:勝田貴元選手の祖父)と知り合って、JRCへの参戦を提案されました。スーパーGTに参戦する多くのドライバーはスーパーフォーミュラに参戦していましたが、僕はずっとラリーに情熱をもっていたので、全日本ラリーにトライすることにしました。
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──なるほど。それから9年間に渡って全日本ラリー選手権に参戦しましたが、印象に残っていることはありますか?
コバライネン選手:もっとも印象的なことは、日本のスペシャルステージの難しさです。グリップのいいコーナーもありますが、全体的にグリップが低く、雨が降れば落ち葉で滑りやすいですからね。そのために、いいペースノートを作らなければいけないので、それが最大の挑戦であり、印象的なものでした。