これでもう「見下ろされ」ない! ド迫力に進化した新型エルグランドのデザインを担当に直撃【ジャパンモビリティショー2025】 (2/2ページ)

独特な存在感を放つデザインコンセプトとは

●四隅に張り出した独特な佇まいがテーマ

──次にサイド面ですが、キャラクターラインをリヤに向けて下がり気味に引いたのはなぜですか?

「ショルダーラインが少しウエッジしていて速さ感を強調しているのに対し、キャラクターラインではそれにカウンターを当てることで、全体の水平感を保ちつつエレガントな雰囲気も打ち出しているんです」

──ライバル車はそのショルダーラインが波打ったチャレンジングな表現ですが、そのあたりは意識しなかった?

「まあ、エルグランドでも初代と2代目はBピラーをボディ色で立てましたし、実際にはいろいろスタディは行いましたが、やはり今回はストレッチした長さ感や速さ感、あるいは先進感という点でクリーンな表現がベストと判断しました」

──新型はボディの四隅の張り出しが大きいのが特徴ですが、ここまで強いラインを使うのは珍しいですね

「そこは今回のテーマなので迷いなくしっかり出しましたね。ただ、角を出すといってもティッシュボックスのようになってしまうと動きがなくなってしまうので、カタマリ感を保ちながらシャープで全体を阻害しないラインとしています」

──リヤパネル上部は側面から見ると逆スラントになっているのが特徴ですが、この部分は非常に複雑な造形になっていますね

「リヤガラスまわりはスペースをしっかり見せたくて、クルマというより建築的な発想で、あえてフラットな面で四角っぽさを出しているんです。ただ、枠は四角いのですが、なかのウインドウはしっかりラウンドさせて幅広さを出していて、たっぷりとした量感を持ちながら、コーナーで突っ張らせることで大きさや踏ん張り感を出しているんですよ」

──では最後に。これはほぼ量産型ということですが、デザインを手掛けてみての感想を教えてください

「そうですね、市場には強力なライバルがいますが、それに対して歴代のエルグランドが大切にしてきたものと、新たにキャッチアップするべき要素の模索がテーマでした。とりわけエルグランドらしい直線基調のボディと、フロントの先進的で新しい顔の組み合わせが、ユーザーさんにどう評価されるかが楽しみですね」

──ライバルとは異なるアプローチとした点は日産らしいですね。本日はありがとうございました。


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すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

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いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
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オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
好きな有名人
筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

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