最近ちょっと元気ないけど……頑張れフィット! 33年間絶対王者のカローラを抜いたホンダ・フィットの衝撃を振り返る (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ホンダのコンパクトカーである初代フィットは2001年に登場した

■2代目からはハイブリッドモデルが初登場し最大燃費性能は30km/Lを誇った

■国産コンパクトカー「ホンダ・フィット」の初代から現行型まで振り返る

いまや国民的コンパクトカーとなったフィット

 2001年に登場した初代ホンダ・フィットは、それまでの国産コンパクトカーの常識を覆す、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトを用いたコンパクトカーだった。なにしろ「日本カー・オブ・ザ・イヤー2001-2002」の受賞車でもあったのだ。

 その特徴はまず革新的なパッケージで、新機構のi-DSIを採用した1.3リッター、そのあと追加された1.5リッター、1.5リッター+5速MTモデルは軽快でスムースな走行性能を発揮した。驚くほど広い後席はシートアレンジで低くもなり、リヤドアからもアクセスしやすい広大なラゲッジルームを備え、観葉植物などの背高な荷物を後席フロアに積めるモードも完備。4人がゆったりと乗れる、日常からレジャーまで大活躍できるコンパクトカーとして人気爆発。

 2002年には、33年間も国産車の販売台数ナンバー1だったトヨタ・カローラを抜く年間販売台数を記録した。その快進撃はとどまることを知らず、2004年にはエアロパーツをまとったスポーティグレードのSを追加。初代の販売開始から終売となるまでの、2001年から2007年までで国内外の販売台数は200万台に達したのである。

 2007年に2代目となったフィットは、初代のエクステリアのイメージ、センタータンクレイアウトはそのままに、一段とスタイリッシュになって登場。エクステリアデザインが洗練されたのは、ボディサイズが初代の全幅から20mm拡大された1695mmとなり、デザインの自由度が増したからだろう。エンジンは1.3リッターと1.5リッターの改良版を搭載。FFはCVT、4WDは5速ATが組み合わせられている。

 2代目最大のハイライトは、2010年のマイナーチェンジ(後期型)で登場したフィットハイブリッド。1リッターエンジン+1モーターハイブリッドのホンダIMAシステムを搭載し、最大燃費性能は30km/Lを誇った。毎度定評のあるホンダのTVCMソングだが、ここではローリングストーンズのミックジャガーを起用していた。2012年には、フィットEV(一充電走行距離225km/JC08モード)を自治体や企業向けにリース販売していた。

 フィットは2013年に3代目となった。「世界のコンパクトカーのベンチマークを目指す」勢いで開発された。N-BOXなどもそうだが、2代続けて同じプラットフォームを使うホンダのセオリーどおり、3代目ではプラットフォームなどを新設計。ボディサイズはひとまわり拡大されたが、5ナンバーサイズに収まっている。初代、2代目と大きくエクステリアデザインが異なり、筆者いわく「ピンセットのような」サイドプレスラインが入っているのが特徴だった。

 1.3リッター、1.5リッターエンジンともにアースドリームテクノロジーが採用され、どちらもSOHCからDOHCに変更。1.3リッター・アトキンソンサイクルエンジンは最高26km/Lの燃費性能を誇った。また、スポーティグレードのRSには6速MTも用意されている。走行性能は一段と洗練され、乗り心地、静粛性、操縦性ともに大幅にレベルアップ。もちろん、ハイブリッド車も用意されている。2017年には先進運転支援機能のホンダセンシングを新採用。フィット人気は絶大のままであった。


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
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Yuming

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