「モダンリビング」「おもてなし」を掲げた「日産ティアナ」って懐かし〜と思ったら復活だと!? 新生ティアナってどんなクルマ? (2/2ページ)

コンセプトを変えず進化し2020年まで販売

 そして、2008年に2代目となったティアナは、「モダンリビング」とともに「OMOTENASHI」=おもてなしのふたつのコンセプトで登場。プラットフォームは海外仕様のアルティマやマキシマと共通のDプラットフォームに変更された。足まわりの改良も目玉で、走りをさらに磨いた新型モデルであった。

 初代の「モダンリビング」のコンセプトは引き継がれ、エクステリアとともにより曲線を強調したデザインへと進化。後席の居住性も高められた。具体的には、ホイールベースはそのままにクラス最高の前後席間距離を実現し、とくに頭上方向のゆとりが重視された。

 3代目は2013年に登場。北米や中国市場を意識したフルモデルチェンジで、2.5リッター直4エンジン+エクストロニックCVTのFFのみで、これまでのV6エンジンや4WDの設定はない。ボディサイズは全長4880×全幅1830×全高1470mmとひとまわり拡大している。特筆すべきはサスペンションの刷新で、リヤには世界初のコネクトブッシュ採用のマルチリンクサスペンションが採用され、走りの質がさらに磨かれた。

 モダンなインテリアは引き継がれているが、ナビが2代目より低い位置に移されている。走りはロングツアラー的キャラクターが光り、乗り心地と操縦安定性のバランスが取れたものであった。トランクは509リットルもの容量があり、ゴルフバッグ4セットの積載が可能。

 日本ではそれほどウケなかったものの、高い実用性をミドルセダンに求める世界の地域ではまずまず好評だったようだ。そして、ティアナの日本仕様はその3代目をもって終売。それは日産におけるFFベースのセダンの消滅を意味していた。

 そして2025年、中国市場で「アルティマ」という車名で売られていたモデルが、「ティアナ」という車名の新型車として復活した。その画像を見る限り、日産最新の顔、デジタルVモーションを採用したスタイリングは、これまでのアルティマにはないスタイリッシュさとシックさのある、エッジの効いたデザインに進化。ボディサイズは、全長×全幅×全高=4920×1850×1447mmとさらに大型化、上級化された。

 パワーユニットは現行アルティマにも採用されている可変圧縮比の2リッター直4ターボエンジンを搭載。日本受けするデザインかどうかは微妙で、日本市場でのセダン人気が下降し、北米で大人気のトヨタ・カムリが日本市場から撤退しているように、日本で「ティアナ」として復活する可能性は低いだろう。だが、ティアナという車名が蘇ったことは、当時のティアナを知る人にとって、懐かしく、ちょっぴり嬉しいニュースかもしれない。そういえば、いつの間にか日産のセダンはスカイラインのみになってしまった。


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
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