望みを託されたCドライバーのアタックは凄まじかったが……
悪い流れは第2ヒートにも続き、Aドライバーの私は紙一重でパイロンに触れてしまい、タイム更新のペースで走行をするも叶わず。Bドライバーも果敢にタイム更新を狙うも、ド派手にパイロンを蹴飛ばしてしまいました。しかし、Cドライバーがパイロンタッチせずに走り切れば、まだ1桁順位は狙える望みが残されていたのです。すべてはCドライバーに託されました。
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Cドライバーの第2ヒートでは、凄まじい気迫を感じました。Aコースの折り返しの段階で他校を突き放す走りっぷりに、誰もが好タイムを確信したそのとき、シケインに差しかかっても車両は一向に減速せず、ミスコースが確定。一瞬チーム全員の時が止まりましたが、もう笑うしかなかったですね。
オチとして面白いのは、続くBコースのタイムがほぼトップタイムに近かったことでしょうか。Cドライバーである彼の名誉のために申し上げると、彼は非常に速いドライバーです。これまでのジムカーナの練習でもほとんどパイロンタッチをしていませんでした。
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このように迷走を重ねた結果、私たち金沢大学は最下位となってしまいました。予選のように第2ヒートでの逆転劇はならず、これが決勝という舞台の厳しさでしょうか。走行終了後にCドライバーは、予選から監督してくださったジムカーナに詳しい方へと真っ先に土下座。結果はともあれ面白い結果であったと、ふたりで笑い転げる場面も見られました。
最下位という結果を、私は予想していませんでした。練習走行を見てくださった方々から優勝も狙えるとの評価をいただいておきながらの惨敗は、実力以上に経験不足を痛感します。これは誰かひとりの能力によるものではなく、金沢大学自動車部というチームが未経験の舞台に置かれて浮き彫りになった弱点でした。
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成功より失敗の方が経験値を得られるとはいえ、それを無駄にしないのが後輩へ向けた私たちの仕事です。おそらく金沢大学自動車部は、今後もフォーミュラジムカーナに参加しますが、次こそ最下位脱却……ではなく、表彰台に立てるよう頑張ります。
最後にこの場を借りて、このような素晴らしい大会を開催し続けてくださる各協賛企業さまや運営さま、応援に来てくださる皆さまへ、感謝の意を表します。ありがとうございました。