キャンピングカーというよりラウンジカー! メルセデス謹製の「マルコポーロ」の贅を極めた中身をとくとご覧あれ (2/2ページ)

ゴージャスで快適なラウンジへと変貌

 4代目マルコポーロは2015年に登場。Vクラスのフルモデルチェンジに合わせて、もはや商業車ベースとは思えないほど洗練されたスタイルとなっています。搭載エンジンも進化していてVクラスは2.1リッター直4ディーゼルターボ、136馬力、163馬力、190馬力の3種類が選べたのですが、マルコポーロは装備の重量が加わることから190馬力がメインだったとのこと。ここに7速ATが装備されることで、燃費も向上したとされています。

 特筆すべきは内装がゴージャスになり、ラウンジのような快適性をもたされたこと。このころから、ミニバンは豪華なユーティリティを売りにすることが増えていて、キャンピングカーとしての基本性能にリッチ&ゴージャスも求められるようになったのでしょう。ヨットのキャビンかのようなフローリングをはじめ、メルセデスベンツお得意のLED照明、さらには内装トリムのメニューが一気に増え、顧客ニーズの多様化に応えているのかと。

 2019年にフェイスリフトされると、マルコポーロでも「MBUX」マルチメディアシステムや、MBAC(メルセデス・ベンツ・アドバンスド・コントロール)などインフォテイメント系が充実し、もはやキャンピングカーというよりラウンジトランスポーターと呼べるほどのリファインを敢行。質実剛健というフレーズは古臭いといわんばかりの進化でしょう。

 そして現行Vクラスをベースとした最新マルコポーロは、「ホライゾン」のサブタイトルが付けられ、つい先ごろデュッセルドルフで開催された「キャラバンサロン2025」でデビューしています。基本的には電動ルーフベッドを装備し、先代と同じく先進的なインフォテイメントシステム、セーフティデバイスを備え、大型モニターやアンビエントライトなど商品性を高めた内容となっています。

 エンジンは2リッター直4の「OM654」ディーゼルターボエンジン、標準仕様はFRとなりますが、これまで同様オプションで全輪駆動も選べるようになっています。そして、ホライゾン専用のエクステリアデザイン、カラーが採用されていることも嬉しいニュース。リッチなキャンピングカーはライバルも増えているので、メルセデス・ベンツとしてもこれまで以上に力を入れているということでしょう。

 こうして振り返ると、マルコポーロシリーズはかなりの長寿モデルでありつつ、メルセデス・ベンツのなかでもかなり贅沢なポジションに成長してきたといえるでしょう。個人的にはゴージャス路線は新型のヴィジョンVに任せて、マルコポーロは冒険テイストを追究していってほしいと思うのですが、読者の皆さまはいかがでしょうか。


この記事の画像ギャラリー

石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

愛車
三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
趣味
DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

新着情報