数あるレースのなかでもなんでこの3つ? 「インディ500」「ル・マン24時間」「F1モナコGP」が世界三大レースと呼ばれるワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■世界3大レースと呼ばれるレースが存在する

■「インディ500」「ル・マン24時間耐久レース」「モナコGP」が3大レースに該当する

■どのレースも歴史が長く数々の名勝負が生まれた

世界3大レースってそもそもなに?

 いろいろなカテゴリーで最高峰を示す「〇大イベント」という表現がある。自動車レースでいえば「世界3大レース」という表現で、モーターレーシングを代表、象徴する3つのレースが存在することを表している。

 具体的には、フォーミュラカテゴリーの「モナコグランプリ(F1)」、スポーツカーカテゴリーの「ル・マン24時間」、アメリカンフォーミュラの「インディ500」である。これら3レースは「モーターレーシングファンなら一生に一度は見ておきたい」と、よくいわれるほど価値のあるレースと捉えられている。

 では、この3レースがなぜ「3大レース」といわれているのか。歴史を振り返ってみるとその理由がよくわかる。いずれも、モーターレーシング史において長い歴史をもち、またそれぞれのカテゴリーで頂点に位置するレースと見なされているからだ。古い順に触れていこう。

 まず、もっとも長い歴史をもつレースがアメリカのインディ500だ。最初のレースは1911年。世界を二分して戦われた第1次世界大戦より3年も古い。開催場所はインディアナポリス州インディアナポリス市の郊外にあるインディアナポリス・モーター・スピードウェイ。現在の主催者はインディカー。特徴的なのは1周2.5マイル(4km強)のコースがバンクをもつオーバルトラックとなっていることだ。

 アメリカのレーストラックは、ヨーロッパ型のロードコースでなく、バンクをもつオーバルトラックが舞台となるケースが多い。ちなみに、周長1.5マイル以下のコースはショートオーバル、2マイルを超えるコースはスーパースピードウェイと呼ばれている。

 正確には「インディアナポリス500」と呼ばれるこのレースは、毎年5月の最終月曜日(メモリアルデー)の前日となる日曜日に開催され、予選を経て決勝に進出できる車両は33台。決勝当日は40万人の観衆が集まり、レースのラップスピードは350km/hオーバー、優勝賞金は200万ドルを超すという、すべてにおいて超ド級のスケールで、さすがアメリカというべきレースである。

 特筆すべきはこの伝統あるレースで、日本人ドライバーの佐藤琢磨選手が2017年と2020年、2度の優勝を記録していることだ。


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