「まな板」「板チョコ」ってなんのこと? 「くるくるダンプ」が正式名称だと!? はたらくクルマ業界の名称が謎すぎる!

この記事をまとめると

■はたらくクルマには聞いただけでは何かわからない独特なネーミングの車両が存在している

■パッと見た印象で似ているものにたとえられてそのまま名前が付けられていることが多い

■業界ならではの呼び方も存在するのでかかわりのない一般人には新鮮に聞こえるだろう

業界人でないと勘違いしてしまう独特な名前のはたらくクルマ

 見たこともあるし、名前も知っているけれどじつは全然違う名前をもっている乗り物がある。今回は、そのいくつかをピックアップして紹介していこう。なかには知らない名前が正式名称で、よく知っているのは通称なんていうパターンもあるので、その名称が何を指すのか想像しながら読んで欲しい。

●まな板

 スタンション型トレーラーやフラットトレーラーは「まな板」とも呼ばれている。平坦な荷台部にスタンション(長尺物の荷崩れを防ぐために、荷台の側面に設置する棒状の部品)を設置して、原木や鋼材、コンクリート製品などを運ぶ。大規模な工事現場の近くを走っていることが多い。

●バックホウ

 聞きなれない人も多いであろう「バックホウ」。英語では「Backhoe」と表記し、「hoe」は農作業用の鍬(くわ)を意味する。その実態は、ショベル(バケット)をオペレータ向きに取り付けた「ショベルカー」のことだ。バックホウと呼ぶ理由は、国交省などの行政で普及している呼び名だからで、ある意味正式名称ともいえる。ちなみに「ショベルカー」は和製英語で、マスコミで広く使用されてその名称が普及した。

 比較的使われがちな「ユンボ」という呼び方は、もともとフランスの建機メーカーであるシカム社の商品名であり、新三菱重工(現・キャタピラー)が1961年に技術提携し、日本でユンボとして販売したのがきっかけである。また、「油圧ショベル」は、建設・土木業界の一般的な呼び方で、「パワーショベル」は重機メーカーであるコマツの商品名だ。

●板チョコ

 形が似ていることから「板チョコ」と呼ばれているパーツだが、これだけでは何を指すのかわからない人がほとんどだろう。しかし、実際には多くの人が目にしているものだ。

 その答えは、平ボディやダンプトラックなどに付けられている、「側面のあおり」のことだ。表面の凸凹が板チョコのような形状だからそう呼ばれているのだ。この板チョコあおりはデザイン性に優れているだけでなく、比較的軽いのも人気の秘密。

●パタンコ&コボレーン

 パタンコもコボレーンも一般的には意味不明な単語だが、いずれもダンプトラックの荷台上部・側面から「土砂などの飛散を防ぐパーツ」のことだ。正確にはいずれも、中播自動車工業株式会社が製造している自動開閉シートの商品名だ。さらに、飛散防止装置には「あおりシート」「ダンプ用シート」「自動開閉シート」などの呼び方もある。

●くるくるダンプ

 これはさすがにニックネームに聞こえるだろうが、ちゃんとした名称なのだ。くるくるダンプは名前のとおり、限られた場所でくるっと上部だけを回転させて荷物が積める重機である。製品名は「クローラーキャリア」だが、コマツの公式サイトでも「呼称:くるくるダンプ」という表記があるので、しっかり正式な呼び方だ。

 今回紹介してきたように、一般的には浸透していなくても業界ならではの呼び方をするものがたくさんある。聞いてもわからないけれど、その実態は、意外なほど普通な由来であるということが面白いのだ。


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