いつ遭遇するかわからないからこそ事前の対策も大事
そこまで深い水深でなくても、路上の深めの水溜まりを走るときは、十分に速度を落とす必要がある。タイヤが水を排出しきれず、浮き上がってしまう懸念があるからだ。いわゆるハイドロプレーニング現象である。そうなると、ハンドル操作はもちろん、ブレーキさえ利かなくなる。
また、徐行せずに水たまりに突っ込むと、水の抵抗で急減速し、運転操作に影響を及ぼすことも考えられる。日常的に、雨で路面に水溜まりを発見したら、徐行とまではいかなくても、速度を落とす習慣を身に着けておくといいだろう。

雨の季節が近づいてきた際の備えとして、まず、ワイパーの拭き取り状態を確認し、拭き残しが目立つようであればブレードを交換しておくといい。
次に、タイヤの溝は常に確認しておくことだ。タイヤメーカーによれば、新品のタイヤでも、高速走行時にはハイドロプレーニング現象を起こす可能性があるという。80km/hや100km/hといっても、水溜まりの様子次第ではその懸念がある。速度は控えめを心がけ、万にひとつはそういうことも起こりえることを知っておくことが大切だ。

タイヤの溝は、それが途切れたら交換時期だと思っている人が多いのではないか。タイヤの交換時期の目安とされるスリップサインは1.6mm程度とされている。新品の時が8mmほどなので、それでも80%ほど減ってしまっていることになる。
当然のことながら、スリップサインの出る手前であっても、ゲリラ豪雨のような状況では、とてもタイヤが路面をとらえることができなくなる。

単にスリップサインが出たかどうかではなく、雨の季節が近づいたらタイヤ交換を考える時期という発想もあるだろう。また、高速移動を頻繁に行う人は、早めのタイヤ交換が安全確保につながる。ちなみに、私が長距離移動を頻繁にしていたときは、5分山(つまり残り溝が4mm)程度になったら、タイヤ交換をしていた。それが、無事に目的地に到着する保障にもなるからだ。