30年後の自動車社会を大胆予想! いまでも高嶺の花な「純エンジンスポーツモデル」は特区でしか乗れない!? (2/2ページ)

いま楽しむという選択は揺るがない

少子化が与えるクルマ社会への影響

 このままいくと30年後の日本は少子化が限界値を迎えると予想されています。そのため、自動車メーカー、ならびに関連企業はこぞって免許の取得可能年齢を下げてくるかと。18歳が16歳、16歳から「6年生になったら教習所いくんだー」みたいなことに。なにしろ、完璧な自動運転社会を迎えるわけですから、ちびっ子だろうが赤ちゃんだろうが「アレクサ、学校まで行って」とかなんとか、クルマに乗ってもらわないとメーカーも干上がっちゃうわけです。

 ともあれ、ちびっ子ドライバーでなくとも、道路上は自動運転のEVがほとんどになってしまうわけで、そこに昭和のヤンキーがシャコタンの70クレスタあたりでノコノコやってきたり、対向車線からドリ車の180が爆走! なんてできるはずがありません。しかも、乗ってるのがヨボヨボの爺さんだったりするわけで(笑)、法規制が厳しくなること、火を見るより明らかかと。

 ちなみに、自動運転が高齢者のボケを進行させてしまうのではないか、という研究が各国で進んでいるようです。となると、徘徊老人ならぬ徘徊自動運転カーなんてのも現れたりして、交通環境はいまよりも混乱する恐れもあるのです。

それでも旧車や「内燃機関上等!」という方に

 日産がR32 GT-RをそっくりそのままEV化したのは、30年後でもGT-Rというクルマの乗り味を楽しめるようにという理由でした。将来、ガソリン車は燃料や消耗パーツの枯渇で乗れなくなっていると予想し、30年後の技術的主流となっているはずのEVに希望を託したわけです。グッドアイディアといえますが、やはりメーカーならではの対策であり、一般人としては非現実的。

 また、爆上がりしているクルマにしても、30年後の価値は不透明。おそらくは、高騰しているいまこそ売りどきかと。古いクルマに大金を払ってくれるのは、新車当時の価値を知っている年代だけだと考えれば、この先あまり時間はありません。

 それでも、海外のニュースになるような「バーンファインド」、すなわち納屋で寝かされつづけたスポーツカーが埃をかぶったままでも3000万円になった! みたいなこともなくはないでしょう。が、1等当選の宝くじを地下鉄のホームで拾うくらいの確率なのではないでしょうか。

 ならば、走れるうちに走っちゃおう、手に入るうちに買っちゃおうというのが手っ取り早いソリューション。「どうせ30年後なんて生きちゃいねーからよ」と、開き直りというより思い切りというやつですね。乱暴なほど単純ですが、クルマ好きの思考回路は30年前からさほど進化もしておらず、この先の進歩もまた望み薄でしょうから(笑)。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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