ここで改めてUSBの種類を知っておこう
ここまでは3列シートで乗員数の多いクルマのUSBポートの数を紹介してきたが、2列シートのクルマでもUSBポートの数が多いクルマもある。トヨタbZ4Xがそうで、運転席、助手席ユーティリティトレイに各1個(15W/3A運転席側は通信・充電用)、後席のセンターコンソール後端になんとUSB・PD対応のポートが2個(単独最大60W)用意されているのだ。
改めてUSBの種類をおさらいしておくと、昔からあるタイプAは5W~7.5W、車載されている一般的なタイプCは供給能力が最大でDC5V/3.0A、つまり15Wに相当。それがPD規格対応になると30W以上となり、スマホをさらに急速充電できるだけでなく(タイプC比較)、ノートPCの充電まで可能になるわけだ。
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ただし、USB・PD対応のポートがあっても、充電ケーブルがその規格に対応していなければ意味なし。ケーブルも60W対応といったPD規格のものを用いなければならないのである。もっとも、クルマのUSBポートでPD規格を採用しているのはまだごく少数。
そこでホンダの純正アクセサリーには、最大45Wの「USB・PDチャージャー」というアイテム(本体+取り付けアタッチメント計13200円)があるので、タイプCの充電スピードに満足できない、ノートPCを充電したい……という場合には、社外品を含めてPD対応のチャージャーを増設するといい。60W級もあるカー用品のPD対応チャージャーは廉価かつ、アクセサリーソケットに差し込むだけで使えるから、ソケットの場所さえ使いやすい場所にあれば便利だ。
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とはいえ、PD規格になれば車載バッテリーの負担も増えるため、走行中の使用を推奨する。自動車メーカーガソリン車やハイブリッドの多くがタイプCのPD対応ではなく、15W程度ものを採用しているのは、コストはもちろん、発熱や電力負荷管理などの、クルマ特有の理由に違いない。bZ4XはBEV(電気自動車)だからPD規格を採用できたという見方もできるのだ。
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ところで、今やスマホなどは旧来規格のタイプAより早く充電可能なタイプCが一気に普及しているのだが、タイプAも捨てたもんじゃない。電子機器のなかにはまだまだタイプAを使っているものもあり、アフターマーケットのUSBチャージャーを扱っているカーアクセサリー会社によれば、カー用品店ではタイプCのみのチャージャーより、タイプA+タイプCの両方が使えるチャージャーのほうが売れているというのだ。
買ったクルマにタイプCしか付いていなくても、アクセサリーソケットに差し込むタイプA+タイプCの両方が使えるチャージャーを導入すれば、簡単に解決できるのでおすすめのアイテムだ。