異業種のコラボは新車購入を検討させるいい機会に
変わったところでは、アジア地域だと新車ディーラーが軽食レベルの食事を無料で提供していた。まったく縁がなく、食事だけというのはかなり厳しいような気もするが、取材で訪れた筆者にも、「昼どきだからどうぞ」とわりと気軽に提供を受けたし、何台も同じ店で乗り継いでいるような馴染み客は食事目的で来ることもあるとのこと。食べ物でつるとも表現できてしまうのだが、敷居を下げるのには十分効果があるようだ。
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そもそも新車ディーラーは、日用品の買い物をするより敷居が高い印象がいまだに強い。筆者の経験からしても、敷地内にクルマを入れた瞬間にセールスマンなどスタッフが出迎えにやってくるのはうれしい反面、何かしらのプレッシャーも感じてしまう。買わなければ申し訳ない、そんな気もちになってしまう独特の雰囲気は、たしかに昭和のころと大きく変わっていない。
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商談にかかる時間はさておき、とりあえず同じ敷地内に異業種店舗があれば、今までの敷居の高い印象は改善に向かうことは間違いないだろう。コーヒーを飲みに(またはアイスクリームを食べに)来たついでに、新車のショールームへ足を運んでもらうことも可能となる。
昭和のころに比べれば、世間のクルマに対する興味が薄れてきていると筆者は感じている。日本車は世界的に見ても性能がよく、耐久性能も太鼓判ものとなっているので、新車を買うのは面倒臭いとして、ついつい10年ぐらい乗り続けてしまって、不具合や部品交換などが目立ってきたから仕方なく新車に乗り換える……といった人も少なくないようである。
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そのような、新車ディーラーに足が向かない人たちを刺激して乗り換えタイミングを早め、わかりやすくいえば回転をよくする効果も異業種コラボ店舗にはあるものと考えている。