なぜか道端に落ちている軍手……の数がいま激減していた! 「軍手はどこからくるのか?」「なぜ減ったのか?」真相を追った!! (2/2ページ)

そもそもなぜ給油口に軍手をはめる必要があるのか

 ここで落ちている軍手の流れと原因について振り返ってみよう。そもそも給油口に軍手をはめるのは、キャップからガソリンが滲み出ることを嫌ってのことだ。ガソリンがにじむと外観も汚いし、洗うのも手間がかかる。そのため布製の軍手をかぶせることで滲み出るガソリンを吸わせてしまおうというわけだ。

 ガソリンのにじみ出る原因はいくつかあり、満タン近くまで給油したあと、キャップのエア抜き用の穴から滲み出るケースと、給油キャップのゴムパッキンの劣化で滲み出る場合があるようだ。

 さらに、鍵付きの給油キャップの場合、滲み出たガソリンを放置しておくと、鍵穴にゴミや汚れがたまり鍵が刺さらない、鍵がまわらないという事態にもつながるのだ。そこで、給油口に軍手をかぶせることになるのだが、じつはすべてのトラックの給油キャップが同じではないことがポイントだ。

 トラックの燃料タンクは車両火災防止協定規則により、燃料漏れ防止基準(UN-R34)という基準改正が施行されており、対象車両には改正前の燃料タンクやキャップの取り付けができないのだ。また、給油キャップの基準を従来の「通気式」から「密閉式」にするという項目がある。

 そして、この適用範囲は「認可年月日が2018年9月1日以降の新型車」であり、新しいトラックが増えるごとに燃料が漏れやすい「通気式」キャップの装着率が下がった結果、軍手をかぶせる必要ないので道に落ちる数が激減したわけだ。

 とはいえ、軍手を愛用しているトラックもまだたくさんあるはずだと、高速道路の大型PAに出向いて観察してみると、予想通り何台も軍手トラックを見ることができた。

 さらにトラックパーツのなかにも「給油口カバー」なるものが存在しているくらいだから、やはりそれなりの需要はあることがわかる。このリサーチからしばらくして、ある地方の街道で完全体の落ちている軍手を発見。ダンプが行きかう道の脇に落ちていた白い軍手は、まさしく探していた光景だった。


この記事の画像ギャラリー

新着情報