やっぱ旧車スポーツ乗りたいけど……高すぎて出せん! そんな人が狙う「ハズシのネオクラ」は確かに安いが落とし穴に要注意!! (2/2ページ)

ハズシを選んだ先にある未来

 しかし、だ。ハズシのクルマを見つけて「これだ!」とビビッときてもちょっと待ってほしい。そう、残念ながら「ハズシ=不人気」の可能性もあり、部品やアフターパーツが全然ない事態に陥るからだ。

 これは筆者の体験談なのだが、現在の愛車を購入する前に、今でも欲しいと思っているクルマが当時、格安で販売されていた。コンディションもよく、その場で即決したかったほど。ただ、購入後はあれこれしたい構想があったので、一旦その日は帰宅。落ち着いて必要そうなパーツ関係を調べたところ、なんと、足まわりのパーツが2種類、吸排気系も3種類、純正パーツはほぼ製廃。ホイールも適合サイズなし。リビルトパーツすらろくにない状況であった。

 このクルマは新車当時はそれほど不人気でなかったはずなのだが、どこに行ってしまったのか、現存数は確かに少ない。そんな事情もあり、「クルマは大事に保管せずに乗りまわしてナンボ」という思想の筆者のライフスタイルにハマらなかったのである。

 周囲の近しい人の例では、やはりそのクルマが憧れのクルマだったとのことで、ようやく手に入れたまではいいのだが、純正パーツおよびリビルトパーツは他車流用以外は皆無、社外品もほぼ存在せず、必要なパーツはワンオフ……と、クルマ自体はシンプルなモデルだが、あれこれ維持管理にコストはもちろん、膨大な時間を取られているという人がチラホラいる。月に1回程度しか乗らない人ならまだしも、ドライブ好きで頻繁に乗りまわす予定がある人にとっては、ストレスになるだろう。

 乗っている時間より直している時間のほうが長い、お金がいくらあっても足りない、工賃節約のために自分でやるも、貴重な純正パーツを付けるときに壊した……などなど、ハズシのクルマを選んだがゆえに、苦労している人が少なくないのというのが実情だ。これがまだ欧州車であれば、時間はかかれど意外にも海外にパーツがあるという話も聞くが、国産車、とくにJDMと呼ばれる日本専売モデルでは、パーツがすぐ製廃になるので、かなり厳しい。筆者のようにちょっと好きで詳しいかも程度のレベルだと、茨の道が待っている。

「憧れのクルマでどうしても乗りたい!」と熱意があるなら、どんなことがあっても気合いでゴリ押せるが、単純に「目立ちたい」、「なんとなくいい感じだから」といった軽い気もちで、それらハズシのクルマを選ぼうとしているのであれば、いま一度深呼吸して、走ったり車検をとおすのに必要なパーツや、持病などで壊れやすいパーツの流通状況をいま一度チェックするか、クルマを買う前にそれらのクルマのメンテナンスを得意とするショップを先に見つけておくと安心だろう。


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WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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