この記事をまとめると
■ジェネシスG90のシューティングブレーク仕様となる「ウィングバック」が公開された
■ラグジュアリー基調のベースモデルから新たにスポーティなディテールが加えられている
■欧州高性能ステーションワゴンに対抗する新勢力となる期待が高まっている
Lセグメント級では異例のシューティングブレーク
トヨタの高級車ブランドとしてレクサスが存在することは誰もが知るところであるが、お隣の韓国のヒョンデも同じように高級車ブランドを展開していることをご存じだろうか。その名は「ジェネシス」。もとはヒョンデの最上級サルーンに車名として使われていた名前をブランド名として2015年に立ち上げ、現在では北米やヨーロッパなどグローバルに展開されている。
ジェネシスのエンブレム画像はこちら
そのフラッグシップモデルとして君臨するのが、メルセデス・ベンツ SクラスやBMW 7シリーズと同等サイズの大型サルーン「G90」 なのだが、先日そのシューティングブレークモデルが発表された。
ジェネシスは、メルセデス・ベンツのAMG、BMWのMと同様に、ハイパフォーマンスラインを担う新たなサブブランド「マグマ」を展開することを発表している。その目玉となるミッドシップスポーツ「マグマGT」のローンチイベントで、「G90 ウィングバックコンセプト」がひっそりと姿を現したのだ。
G90 ウィングバックコンセプトの最大の特徴は、なんといってもそのボディ形状だろう。標準モデルからルーフラインをリヤエンドまで延長することで、伸びやかなシューティングブレークスタイルを構成している。いわゆるLセグメントクラス、全長5.2m級のシューティングブレークというのはなかなか類を見ない。
ジェネシスG90 ウィングバックコンセプトのフロントスタイリング画像はこちら
とはいえ、屋根を伸ばした単なるG90のロングルーフ版というわけではない。深い陰影を湛えるダークグリーンのメタリックボディが光の加減で表情を変えることでノーマルのG90とは一線を画すスタイリングを強調し、エクステリアの各所にはスポーティなアピアランスも認められる。
ノーマル比で明らかにワイド化されたフェンダーにはレーシーな5×2スポークデザインの22インチアルミホイールが収まり、フロントホイール後方に開けられたエアベントや、フロントバンパー下部のカナードなども特徴的だ。
ジェネシスG90 ウィングバックコンセプトのフロントホイールまわり画像はこちら
内装に目を向けると、G90セダンのラグジュアリーなテイストを継承しつつ、これまでにないディテールが加えられている。ステッチをはじめとしたグリーンのアクセントが施されるほか、ステアリングはスウェード風の素材で巻かれ、欧州スーパースポーツとも共通した雰囲気を漂わせる。
ジェネシスG90 ウィングバックコンセプトのインテリア画像はこちら
G90 ウィングバックコンセプトはあくまで試作車という位置付けだが、そのビルドクオリティは極めて高く、ディテールも現実的な仕上がりとなっており、いくつかの海外メディアは市販化の可能性も高いとしている。パワートレインの詳細は非公開だが、ベースとなるG90には415馬力/56.0kg・mを発生する48V電動スーパーチャージャー付きの3.5リッターV6ツインターボエンジンが搭載される。ノーマルのG90よりも大幅に攻撃的な印象を与える内外装から判断すれば、市販化の暁にはさらに強力なパワーユニットが用意されることは間違いないだろう。
ジェネシスG90 ウィングバックコンセプトのリヤセクション画像はこちら
このG90 ウィングバックが市販されれば、アウディRS6アバントやBMW M5ツーリングといった欧州のハイパフォーマンスワゴンに対抗しうる、Sクラス級の巨大なラグジュアリースポーツワゴンという稀有な存在となる。ジェネシスがニッチな高性能ラグジュアリーセグメントに挑戦する可能性を見せた1台だといえるだろう。