【試乗】欲しいものは全部揃いました！ 新型日産ルークスは「見えルークス」「映えルークス」「積めルークス」のCM以上に「おすすめできルークス」だった

日産らしいしなやかな走りもルークスの魅力

　さて、試乗したのは自然吸気エンジンとターボエンジンで、どちらもFFモデル。パワートレインはキャリーオーバーとなるが、先代までのマイルドハイブリッドは廃止され、「STANDARD」「ECO」「SPORT」と３つが選べるドライブモードが新しくなっている。

　まず、自然吸気モデルで走り出すと、出足から過不足なくスムースな吹き上がりが一定して続いていくことに感心。小型軽量ブラシレスモーターを搭載したというパワーステアリングの操作感は軽く、運転ビギナーにはもう少し据わりのよさがあったほうがいいようにも感じるが、交差点の右左折や駐車場などでの取りまわしがしやすく慣れてくればラクなのかもしれない。

　カーブでの沈み込みもジワリとくる感覚で、不安感がなく乗り心地のよさにつながっている。市街地で走るぶんにはモリモリとした余裕こそないものの、バランスのよい加速フィールが得られる印象だ。

　ターボに乗り換えると、低速ではほとんど自然吸気モデルと変わらない乗り味。それが加速していくにつれて元気のいい吹き上がりを見せ、ターボらしいパワフルさにつながっていく。タイヤが15インチになることと、やや車重が重くなることなどから、乗り心地にも落ち着きが増し、直線での安定感がしっかり感じられた。

　どちらも、高応答ショックアブソーバーやゴムブッシュの硬さ変更などのチューニングを施し、路面のギャップを乗り越える際にも一発で収束してくれるしなやかさを実現。スーパーハイトワゴン軽では初となるフロントの遮音ガラス採用や、サイドへの2層遮音シート追加などで静粛性にもこだわっており、後席との会話がしやすいことも実感できた。

　SPORTモードを選ぶと加速のレスポンスが高まり、減速時にもメリハリが強まるようなセッティングになっているが、ターボでもそれほど大きな違いではなく、ECOモードではちょっとペダルを踏み込んだときに抑えられているような気がする程度で、これはせっかくならもう少しわかりやすい違いがあってもよかったのではと思った。

　一方で運転中に恩恵を感じたのが、軽初となる3D機能付きインテリジェントアラウンドビューモニター。４つのカメラ情報をもとに、スイッチを押すだけで自分のクルマを俯瞰で見ることができたり、本来は見えるはずのない路面の状況が見えたり、見通しの悪いT字路の左右からくる車両や歩行者などが確認できるのがありがたかった。