学生たちにモノづくりの素晴らしさを広めたい! スペシャルオイルメーカー「モティーズ」がフォーミュラジムカーナに出展する想いとは (2/2ページ)

大人から学生ではなくお互いに熱意を高め合う場

学生のギモンに理路整然と答えられる存在でありたい

「本当のスペシャルオイルなんて、じつはそうそうないんです。ほとんどのエンジンオイルは国際規格にのっとって作られていて、高いレベルにあります。ただ、レーシングマシンはエンジンも足まわりも徹底的にチューニングをして、車両専用の味付けをしているのに、なぜオイルだけは既製品のままなのか、とずっと疑問だったんです」

 モティーズは国際規格をあえて取得せず、特定の用途やチューニング内容にあわせて原料を配合する、特殊なオイルを作り続けているメーカーだ。いわゆる「大量生産の規格オイル」とは逆の世界である。

「学生にとって、オイルってよくわからない黒い液体なんです。でも、成分や設計思想を説明すると『そんなに違うんですか?』って目の色が変わる。そこから何度も電話してきてくれる子もいますよ」

 学生から「このチューニングなら、どんなオイルがあうのか」、「モータースポーツ用の部品やフルードはどう選べばいいのか」と聞かれたとき、きちんと根拠を提示して答えられる存在でありたい。それがモティーズのこだわりと考えだ。

地道に「モノづくりの精神」を伝えていく

 フォーミュラジムカーナは今回で3回目を迎える競技だが、これまですでに40人近い学生が自動車関連企業に就職を決めてきたという。前述したとおり、モティーズ自身はリクルートに直接繋がったわけではないが、「業界全体にとってプラスになるなら、それでいい。目に見えない大切なものが積み重なっているから」と、丸山氏は出展して、たしかな手応えを感じているようだ。

「自社の広報やネット発信だけでなく、こういう現場の懇親会や雑談の時間に草の根で地道に話をしていくほうが、僕ららしいなと思います。純粋なお金儲けじゃないイベントは今の時代に本当に貴重で、だからこそ気もちよく参加できるんです」

 学生の真剣なまなざしや、「ここでの話が本当にためになった」といってくれる笑顔に触れるたびに、「ミッションコンプリートだ」と、イベント後に感じるのだという。

”アツさ”を思い出させてくれる場所

 丸山氏は最後に、こんな言葉を残した。

「日本って、どこかで“アツさ”を忘れかけている気がするんです。効率とか安定とか、もちろん大事なんですけど、その裏で夢中になることが少なくなっている。でもこのイベントに来ると、学生たちの熱意にこっちが突き動かされる。自分が技術者として熱くなっていたころを思い出させてくれるんですよ」

 MSC代表の岩田氏が3年間続けてきたフォーミュラジムカーナ。その想いに共感し、パートナー企業として最初に手を挙げた企業のひとつである、スペシャルオイルメーカー「モティーズ」。

 そのブースには学生たちのアツさと、それに突き動かされる大人たちのアツさが交錯する、かけがえのない空気が生まれていた。


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