ポルシェ911が電動ターボ2機がけで異次元の速さに! 怪物化した「911ターボS」衝撃のマイチェン (2/2ページ)

先代モデルのタイムを14秒上まわる

 シャシーには、「ehPDCC」と呼ばれる電気油圧制御式のダイナミックシャシーコントロール機構も標準装備された。コーナリング中のロールを巧みに抑制することで、よりナチュラルで安定した姿勢のコーナリングを演出。加えていかなる速度域においてもフラットな乗り心地を提供するこのシステムは、そのステアリングを握るカスタマーを大いに感動させてくれるに違いない。

 ブレーキシステムには、もちろんポルシェ自慢のPCCB(ポルシェセラミックコンポジットブレーキ)が採用されているが、それはさらに強化されているほか、タイヤも新世代のものへと進化を遂げている。タイヤサイズは、フロントは前作と同様の255/35ZR20となるが、リヤはトレッドが10mmワイド化されて325/30ZR21の設定になった。

 新型911ターボSのラインアップには、これまでどおりクーペとカブリオレの両ボディが設定されているが、そのデザインにはいずれも最新のエアロダイナミクスコンセプトを導入している。フロントに採用されたクーリングエアフラップや、リヤのアクティブディフューザー、そしてこれも新デザインのリヤフェイシアなどはその代表的なディテールだ。

 ドラッグの低減に対する取り組みも積極的で、この911ターボSではすべてのアクティブエアロダイナミクスエレメントが、もっとも効率的なポジションにあるときの空気抵抗係数(Cd値)を、10%も低減しているという。

 そしてなにより衝撃的なのは、この新型911ターボSが可能とする運動性能だ。

 最高速は322km/hを達成し、0-100km/hはわずかに2.5秒(クーペ)。また、ポルシェが事前に行ったニュルブルクリンクのノルドシュライフェでのラップタイム計測では、先代モデルのそれよりも約14秒速い、7分3秒92を記録したというのだから、そのトータルバランスがいかに優秀で、また異次元の領域に導かれたものであるのかは容易に理解できる。

 ちなみに新型ポルシェ911ターボSの受注は、日本でもすでに開始されており、車両本体価格はクーペが3635万円、カブリオレは3941万円(いずれも消費税10%を含む)と発表されている。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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