駅舎もプラットフォームもないのに確かに「駅」が存在する! 神奈川にある謎の「JR梶ヶ谷駅」の正体とは? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■東急田園都市線梶ヶ谷駅のそばにはもうひとつ梶ヶ谷駅が存在する

■JR梶ヶ谷駅は駅舎もなく一般人が利用することはできない

■地下を走る武蔵野南線の作業員の出入り口となる立坑が住宅街の中にある

武蔵野線に存在するほぼトンネルのなかしか走らない隠れ区間

 東急田園都市線には梶ヶ谷という駅がある。画像を見ていただけるとわかるが、とてもきれいな駅で、ここから路線バスも多方面に伸びている人気の高いエリアだ。そして、この梶ヶ谷駅からクルマで約10分、徒歩だと30分はかかる距離にもうひとつ同じ名前のJR梶ヶ谷駅がある。今回取り上げるのはちょっと不思議な光景が広がるJR梶ヶ谷駅のほうだ。

 なぜJR梶ヶ谷駅が不思議なのかというと、その理由は駅舎やホームというものが見当たらないうえに、広大な敷地では巨大なフォークリフトがせっせとコンテナを運んでいる姿が日常的に繰り広げられているからだ。先ほど駅舎がないといったが、正確には「梶ヶ谷駅」と書かれたコンテナを模した看板がある。この姿を見て「ここも梶ヶ谷駅なんだ」と気づく人も多いのだ。

 調べてみると、正確にはこちらの梶ヶ谷駅はコンテナ貨物のターミナル駅であり、一般人は乗車することができない路線だ。過去には旅客化が検討されたこともあるが、最終的に実現しなかったともいわれている。

 それにもかかわらず、大きく梶ヶ谷駅と書かれていることが不思議だったので、今回のリサーチとなったわけだ。

 ここで少しJR梶ヶ谷貨物ターミナル駅について説明しておこう。東京郊外を一周する路線に武蔵野線というものがあり、これは府中本町駅~西船橋間駅をつないでいる。しかしこの路線には、一般客が乗れない隠れ区間が存在し、それが府中本町駅より南側、府中本町駅~鶴見駅を結ぶ約28kmの「武蔵野南線」と呼ばれる区間なのだ。隠れ区間なので路線図には記載がないのだが、実際に現地に出向くと誰でもその姿を見ることができる。

 とくに圧巻なのは、通常の5倍はあろうと思える巨大なフォークリフトがコンテナを移動する光景だ。敷地が広いため奥の方の作業風景をはっきりと見ることはできないが、運が良ければ休憩などで事務所に戻ってくるときに間近で巨大フォークリフトを観察することができる。

 この梶ヶ谷駅は隣がホームセンタ―になっている関係上、誰でもアクセスはできるが、もちろん作業スペースは立ち入り禁止となっている。

 ここではコンテナを移動させるフォークリフトのほかにも、それを運ぶトレーラ―の姿を多く見ることができる。


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