住宅街のなかにひっそりと佇む秘密の地下への入口
さて、この謎の武蔵野南線、そのほとんどがトンネル内を走行するわけだが、じつは地下を走っている証拠を見ることができる場所がある。
それが「立坑(たてこう)」と呼ばれる施設だ。これは作業員の出入り口としても使われるのだが、施設自体も隠れ区間らしくひっそりと街なかに佇んでいる。知らない人からすればなんのための建物なのかわからないはずだ。
今井仲町立坑の入口画像はこちら
実際に筆者も長年近隣に住んでいるが、今回の取材で初めてその存在を知ったほどだ。それほど地味に住宅街のなかに存在しているのでその姿を見ていただこう。
今回は新城立坑と今井仲町立坑の2カ所をまわったが、いずれも住所を目的にどうにかたどり着いたという感じだった。
新城立坑の入口画像はこちら
もちろん立入禁止の看板があったり柵で囲われたりしているので、なにか特別な施設だということはわかるが、それにしても地味である。立坑のまわりは普通の住宅街なので、あまりものものしい外観にはできないという理由もあるのだろう。
この立坑を見ながら「この下をひっそりと貨物列車が走っているのか」と想像するのもまたロマンを感じるのだ。
最後になったが、JR梶ヶ谷駅の近くでは、JR 東海のリニア中央新幹線計画による工事が行なわれており、さまざまなトレーラーやトラックが行き交う絶好の観察スポットでもある。興味がある方は現地へ行ってもらいたが、くれぐれも立入禁止区域に入らないことと、通行の邪魔にならないように留意してもらいたい。