新政権発足も11月の新車販売台数には好影響なし! ダイハツ復活でスズキとの軽自動車シェア争いが激化 (2/2ページ)

軽市場でのスズキ対ダイハツの攻防は初売りでの巻き返しが焦点

 軽自動車でこの時期に気になるのは、スズキとダイハツが繰り広げるブランド別暦年締め年間新車販売台数争いの行方だ。2025年10月単月締めでダイハツが軽四輪車総台数、軽四輪乗用車、軽四輪貨物で3冠、つまりいずれもブランド別トップになったものの、2025年11月単月締めでは軽四輪貨物のみトップに留まっている。

 ダイハツはかねがね軽四輪貨物車で軽自動車販売台数全般の上積みを行ってきた(軽四輪貨物の届け出済み未使用中古車もダイハツ車が目立つ)。それでも2025年10月は極端に販売台数を伸ばしたので、その反動で11月は前月比81.3%(前年同期比は117.1%)にとどまった。軽四輪総台数では2036台差までトップのスズキとの差を縮めており、善戦むなしく2位といった結果ともいえるのだが、2025年10月単月締めでは販売台数上積みのための自社届け出(ディーラー名義などでナンバープレートだけつけて販売台数の上乗せをはかる)が盛んに行われた、つまり相当な無理をしたということを裏付けたようにも筆者は見ている。

 軽四輪総台数での2025年1~11月の累計販売台数をみると、トップのスズキにダイハツは5万6931台差をつけられているので、暦年締め年間販売台数ではスズキのトップがほぼ確定といっていいだろう。軽四輪乗用車では9万3217台まで差が広がっており、こちらもスズキのトップがほぼ確定となっている。一方で軽四輪貨物はダイハツのトップがほぼ間違いない情勢となっている。

 2025年10月単月締めでの新車販売台数発表時には、ダイハツが宣戦布告かのごとく販売台数を伸ばしていた。これを継続し、暦年締めでは難しくとも事業年度締め(4月から翌年3月)ではダイハツがブランド別年間新車販売台数トップへの返り咲きを狙うのかと考えたのだが、2025年11月はやや失速傾向が目立っており、筆者の読みには暗雲が漂っている。

 2026年の年明けにはスズキもダイハツも初売りに積極的に取り組むことになるだろう。暦年締め年間新車販売台数でトップへの返り咲きが厳しいなかでは、ダイハツが2026年1月単月締めにてふたたびトップ奪還の狼煙をあげるのではないかと考えている。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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