伝説の「911 GT1」を公道に解き放つ! RMLが生み出す限定39台の狂気のハイパーカー「GTH」 (2/2ページ)

伝説の911 GT1を現代のロードカーに投影

 1990年代後半のグランドツーリング・スポーツカー、すなわちGT1規定によって誕生したポルシェ911 GT1をオマージュしたという、ダイナミックで流麗なボディフォルムを持つP39のベースとなっているのは、992型の前期型(Gen1)ターボSクーペ。

 ボディパネルはフルカーボン製で、フロントフェンダーからドアパネルを経てエアインテークを備えるワイドなリヤフェンダーへと流れるラインや、ルーフ上のエアインテーク、ボンネットのデザインなどにはまさに911 GT1の雰囲気が巧みに演出されている。もちろんそれらはより優秀なエアロダイナミクスを実現するためのものであることは当然だ。

 専用シートとレザートリム、そしてロールケージが組み込まれたキャビンは、豪華でかつスポーティなフィニッシュ。ちなみにアニバーサリー・スペシャルエディションでは、リヤシートは取り外され、リヤセクションにまで及ぶ専用のロールケージが装備される。さらにパフォーマンスとトラックの両パッケージ・オプションを標準で装備しているのも、同エディションのセールスポイントだ。

 リヤに搭載されるエンジンは、同じイギリスのリッチフィールドモーターズとの共同開発によるもので、水平対向6気筒ツインターボエンジンは、排気量を3.7リッターに拡大。さらに高度なチューニングを施すことで920馬力の最高出力と1000Nmの最大トルクを得ている。このスペックは、ハイブリッド化した後期型(Gen2)の992型911ターボSと比較しても、最高出力では200馬力以上、最大トルクでも200Nmも強力な数字となる。

 前後のサスペンションは、アジャスタブルタイプのダンピングシステムをもつもので、こちらもRMLグループ独自のセッティング。ブレーキも十分に強化されている。フロントに20インチ、リヤに21インチというタイヤとホイールのサイズに変化はない。

 オンロードにおいても、そしてもちろんサーキットでも圧倒的なパフォーマンスを披露するだろう、RMLグループのSP39(GTH)。39台の生産枠がすぐに埋まってしまうことは容易に想像できるところだ。


この記事の画像ギャラリー

山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

新着情報