この記事をまとめると
■フィアットがマイルドハイブリッドの500ハイブリッドを発表した
■欧州では3ドアとカブリオレ以外にもリヤヒンジリヤドア装備の「3+1」が用意されている
■「3+1」は残念ながら日本導入される望みは薄そうだ
日本導入の望み激低なリヤヒンジリヤドア装備の500ハイブリッド
フルモデルチェンジして500eがデビューしたとき、フィアット500シリーズは完全にEV専用になると思われていた。しかし今回、フィアットは500に内燃機関とモーターを搭載したモデル、500ハイブリッドを追加してきた。そしてフィアットは同時に、500ハイブリッドに右ハンドルを用意することも明かしている。
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これにより、ほぼ確実に、日本にもフィアット500ハイブリッドは右ハンドルで導入されることになるはずだ。そのラインアップは、500eと同じく3ドアとカブリオレの2タイプがやってくることになるだろう。
しかし、じつは欧州には、3ドアとカブリオレ以外にもうひとつ、ボディバリエーションがあることをご存じだろうか。それが「3+1」と呼ばれる、助手席側にリヤヒンジのドアをもつモデルだ。
これは、ホイールベースが短い500シリーズでもドア開口部を大きくすることで、リヤシートへのアクセスを容易にするために設けられたもので、助手席のドアを開けたときにリヤドアも開けることができる。そう、マツダRX-8やMX-30に採用されていたフリースタイルドアと同じタイプだ。ただし、RX-8やMX-30はボディの両サイドにフリースタイルドアがあったから、左側通行の日本で使用するにしても十分に使い勝手のいいものとなっていた。
マツダMX-30のリヤスタイリング画像はこちら
しかし、フィアット500の「3+1」は助手席側にのみリヤドアが設けられる。500eでもそうであったように、おそらく製造コストの問題から右ハンドル用に新たにボディを作り変えるようなことはしないはず。つまり、仮に右ハンドルで「3+1」がラインアップされたとしても、リヤドアはボディの右側にあることになる。
右側通行の国が多い欧州では、助手席に座っていた人が降りてリヤドアを開け、フロントシートを前に倒して後席に座っていた人がクルマから降りる。その際、リヤドアが開くのは歩道側となるから問題はない。しかし、これが左側通行の右ハンドルの国では事情がまったく異なる。後席の人が乗り降りするためには、一度ドライバーがクルマから降りる必要があるし、降り立った場所は道路側となる。利便性からも安全面からも決して好ましいとはいえない。
フィアット500ハイブリッド3+1のリヤスタイリング画像はこちら
故に、フィアット500ハイブリッドは、日本ではおそらく500e同様、右ハンドルで3ドアとカブリオレの2モデルがラインアップされることになるだろう。「3+1」はそのギミックからも魅力的に見えるだけに、ちょっと残念な気もするが、こればかりはしょうがない。
そうそう、かつて日本にもボディの右側にだけリヤヒンジのリヤドアを備えたモデルが右ハンドルで正規輸入されたことがあった。それがBMW MINIの初代クラブマンだ。先に述べたように、リヤドアへのアクセスは道路側からであり、乗り降りのためにはドライバーが一度クルマから降りなければならなかったが、思いのほか日本のユーザーからは好評であったという。その理由が、道路や駐車場が狭い日本では、クルマを左側にビタ付けして右側にスペースを作れば右側から乗り降りができたからだとか。
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MINIクラブマンの例もあることだから、ここはイタリアンブランドのラテンなノリのよさに期待しながら、500ハイブリッド日本導入の正式アナウンスを待とうではないか。