V8モデルの「849」がなぜテスタロッサを名乗るのか? じつはTRの始まりは直4エンジンのフェラーリだった (2/2ページ)

テスタロッサの名は現代へと蘇る

 1991年には、このテスタロッサのビッグマイナーチェンジ版である「512TR」が誕生する。512とは5リッター(正確には4942ccだが)の12気筒エンジンを、それに続くTRはもちろんテスタロッサを意味している。最高出力で428馬力を発揮した512TRは1994年まで生産が継続され、同年にはエクステリアにも大幅な変更を受けた、440馬力仕様の「F512M」に進化を遂げる。ここまでがいわゆるテスタロッサ世代の各モデルの概略だ。

 なぜフェラーリは、最新のミッドシップPHEVに849テスタロッサという名前を与えたのだろうか。849とは気筒あたりの排気量が499ccのV型8気筒エンジンを搭載することを示しているが、過去のTRシリーズ、あるいはテスタロッサシリーズが、直列4気筒、そしてV型12気筒エンジンを搭載していたことを考えると、その決断には一瞬困惑するフェラーリのファンも多いことだろう。

 ちなみにフェラーリは、それを「フェラーリのレーシングレガシーに根差した象徴的な名前を継承した」と説明している。

 伝統の車名を継承したことだけでなく、849テスタロッサはこれから世界の第一線に位置するスーパースポーツとして、多くの話題を提供してくれるに違いない。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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