この記事をまとめると ■ヤナセ100%出資会社「ヤナセEVスクエア」がBYD 正規ディーラー契約を締結した
■全国規模のヤナセネットワークがBYDの販売力を大きく押し上げることが見込まれる
■老舗ブランドの信頼性がBYDの国内評価を底上げする契機になり得るだろう
老舗が示した中国EVへの評価 2025年11月28日、中国BYDオート(比亜迪汽車)の日本法人となる BYD Auto Japan株式会社(以下BAJ)と、輸入車販売最大手となる株式会社ヤナセ(以下ヤナセ)がそれぞれ、ヤナセが新たに設立した「ヤナセEVスクエア株式会社(以下ヤナセEVスクエア)」との間で2025年11月27日にBYD正規ディーラーに関する基本契約を締結したことを発表した。
ヤナセEVスクエアはヤナセが100%出資する、BYDの新車及び中古車、部品、アクセサリー販売とアフターサービスを事業内容としており、2026年夏に神奈川県に店舗を開設して営業を開始する予定となっている。ヤナセといえば110年の歴史をもつ輸入車販売ディーラーの老舗としても知名度が高い。ヤナセが自社系列会社でBYDの車両販売を行うということは、「老舗がBYD車にお墨付きを与えた」とも表現ができるできごとだと筆者は考えている。
ヤナセのステッカー 画像はこちら
ヤナセといえば全国的にはメルセデス・ベンツ車の取り扱いが有名であるが、そのほかキャデラックやシボレー、BMW、アウディ、フォルクスワーゲン、ポルシェ、フェラーリも取り扱っている。ヤナセEVスクエアが今後に店舗を開設し営業をスタートさせれば、ここにBYDが加わることになり、そのインパクトは国内での輸入車販売においてはかなり大きなものとなるのは間違いないだろう。
たとえばBMW車はヤナセのなかでも「Yanase BMW」(ヤナセ・バイエルンモーターズ株式会社というヤナセ100%出資会社が運営)という店舗で新車販売が行われており、関東地域では新車販売を行っている店舗は東京都内にしか存在していない。しかし、東京以外の関東地域の某店舗で話を聞くと、「ご案内どおり、メルセデス・ベンツ以外でも弊社は多くのブランドを取り扱っていますが、この地域では直接店舗での販売は行っておりません。しかし、たとえばお客様がBMW車を欲しいと希望されれば、資本は同じヤナセとなりますのでBMW車取り扱い店舗より車両のお取り寄せは可能です」というような説明を受けたことがある。
Yanase BMWの店舗 画像はこちら
ヤナセEVスクエアが短期間で全国津々浦々にわたり拠点展開していくとは考えにくい。しかし、前述した現場で聞いた話をベースとすれば、神奈川県内でヤナセEVスクエアの店舗がオープンすれば、全国のヤナセ店舗を通じてBYDの新車を供給することも可能となり、BAJとしては一気に販売網が充実することとなるだろう、しかもヤナセネットワークが加わることになるのだからこれほど頼もしいことはない。