この記事をまとめると
■新車時は高額でも人気や条件次第で中古価格が急落する車種は少なくない
■値落ち車は上級クラスや高級車に手が届く一方で故障やリセールの覚悟も必要
■乗り潰す前提で選べば人と被らず満足度の高い1台となる可能性がある
中古車ウォッチで見える「狙い目」の正体
買う買わないを抜きにして、「中古車ウォッチ」をライフワークにしているクルマ好きは意外と多いのではないでしょうか。
ときどき「どうしてこんなに安いんだ!?」と、思わず二度見してしまうようなクルマを見掛けることがあります。新車の時点では高級車だったのに、中古車になったとたん一気に現実的な価格になっている。もちろんそれには理由があります。その理由について考察してみました。
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●新車から大幅に値落ちする理由
人気(需要)がないから
悲しいかなこれに尽きます。クルマとしての完成度を別にして、単純に人気がないのです。裏を返せば、時代を先取りした、あるいはノーマークなだけの「隠れた名車」の可能性も秘めています。「とにかく人を被りたくない」ことにこだわるオーナーであれば、あえて手に入れる価値のあるクルマともいえます。
事故車(修復歴あり)
板金塗装レベルではなく、フレーム修正を行うような事故車のクルマは、たとえ超人気モデルであったとしても、市場の相場より大幅に安い価格で販売されています。手に入れるときに安く買える以上、手放すときも「修復歴あり」と見なされるため、その点をどう判断するか次第といえます。多少のリスクはありますが、はじめから乗り潰すつもりならお買い得かも。
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輸入車であれば並行車
正規輸入車は日本の路上や法規に適合するように現地で生産され、新車整備センターで日本のユーザーが満足するレベルのコンディションに仕上げます。さらに正規ディーラーでメンテナンスをすることで、クルマ本来の性能が発揮できるのです。しかし、並行車は見た目は同じでも、現地仕様であったり、保証が適用されないなど、さまざまなリスクがあります。
●メリット
では、あえて新車から大幅に値落ちしている中古車を選ぶメリットについて考えてみました。
本来の予算なら手が届かないようなクルマも射程圏内に入る
あえて新車から大幅に値落ちしている中古車を選ぶことで、1クラス、場合によっては2クラス上のモデルが予算内に入ってくることがあります。高年式のモデルであれば最新の安全装備が満載であったり、驚くほど燃費がよかったり…と、思わぬ掘り出し車と出逢える可能性を秘めています。
高級車の乗り心地やフィーリング、快適さを味わえる
仮に400万円の予算があったとして、新車時にはその数倍の価格で販売されているクルマが、3年落ち・3万km・ワンオーナー車で買えたりします。新車では手が届かないような高級車の乗り心地やフィーリング、快適さが味わえるだけでなく、オーナーとしての所有感を満たしてくれます。
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人と被らない&見栄が張れる
「とにかく人と被るのがイヤ」という人にこそおすすめの選択肢といえます。予算を抑えつつ、誰もが知るような高級車を安く手に入れ、ちょっとした見栄を張ることもできます。「それ、安く買えるよね?」なんてツッコミを入れてくる人なんてごくわずか。自分が気に入っていれば外野からの雑音なんてどこ吹く風でしょう。
●デメリット
メリットがある以上、デメリットも存在します。ある程度、覚悟が必要かも。
手放すときに損をする確率が高い
新車から大幅に値落ちしている中古車である以上、リセールバリューはハッキリいって期待できません。なかには買取り&下取りゼロ査定だったり、査定額ほんの数万円といったケースも覚悟しなければなりません。しかしなんらかのきっかけ(海外で需要が急増している)で大化けする可能性もありますが、「まさに奇跡」レベルな、極めてレアなケースといえます。
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故障に悩まされる可能性がある
中古車になったとたん、安く買える理由として「故障が頻発する」「ある程度の距離や年数を経過するとかなりの確率で壊れる&大規模修理になる爆弾を抱えている」ことが考えられます。前期モデルのセミATはよく壊れるけれど、後期モデルのATモデルは問題なし、といったケースです。安いからと衝動買いしてのちに困ることのないよう、事前の調査が必要です。
事故車(修復歴あり)であれば走行に支障をきたす可能性がある
事故車と明記されている以上、大掛かりな修理を行っている可能性が高いです。ほぼ完全に直っているケースもあれば、走行に支障をきたすような、いい加減な修理で済ませている可能性もゼロではありません。購入前に一般道を試乗したときは問題がなくても、高速道路を走ってみたらなんだかおかしい、ということもありえるのです。