30年の歴史に幕を下ろし未来のエンジンへとバトンを繋ぐ
──EJ20エンジンが今シーズンで終了すると発表されましたが、それについて思うことはありますか?
井口「今年になってからEJ20エンジンがラストと言われたので、いろいろ想いも巡りました。優勝間際で壊れたこともあったり、いままでの記憶よりも、今年の方がいろいろなことが起きたので記憶に色濃く残っていますね」
山内「新エンジンの開発が始まったところに立ちあわせてもらって、今年で本当に終わるんだなと思いました。そのときに新しいエンジンの話もしましたけど、EJ20の思い出話も聞いて、最後に花をもたせてあげたいなと思いました。あと少しで勝てる富士で壊れてしまったりして、そんなに甘く無い世界だよな。と改めて感じましたね」
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──EJ20に声をかけるとするならば?
山内「本当にありがとう。30年ですよ。自分達が30年現役で一線級で頑張っているのと変わらないわけじゃないですか。そんなことなかなかできないですよ。馬力も最初から比べると上がっているわけで、肉体改造して筋力をつけてパワーアップしてくださいっていわれても無理ですよ。それをしているのだから凄いことだと思います」
井口「まわりはどんどん進化しているわけですよ、それについていかないといけない。新たなセッティングなども試して、追いついていけているのがすごいことだと思います。」
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──10年BRZに乗って戦ってきましたが、10年を振り返るとどんな感じでしたか?
井口「毎回毎回新鮮な気もちでしたよ。毎戦今回はどんな感じなんだろうと思って乗り込み、どう合わせて行こうかと考える。いろんなチャレンジを行う。繊細なマシンなので、そこに合わせていくのが毎戦おもしろい。自分自身の戦いがまず始まってからレースに挑んで行く感じです」
山内「もう生活の一部すぎてあまりないかも。でもそれだけ自然と一緒にいられる存在になっているのだと思います」
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──次のエンジンテストが始まっていますが、どのようなエンジンになっていってもらいたいですか?
井口「チャンピオン獲りたいのはもちろんです。レースをやっていて、前半でどれだけギャップを築いてもピットイン後に順位が下がってしまう。難しいポジションでレースをしているとポイント圏外まで下がってしまう。そこを克服できるような、余裕のあるエンジンになっているといいなと思います」
山内「もちろんチャンピオンを獲りたいです。予選で頑張っても決勝は順位が下がってしまうことも多かった。なので決勝で強く走れるマシンになってくれたらいいですね。戦略の幅を広げられるようなマシンになったらより戦いやすくなると思います」
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長年ともに戦ってきたEJ20エンジンの、モータースポーツでの活躍は終止符を打つこととなる。2026年の東京オートサロンで、チーム体制や新エンジンが発表されるかもしれない。新エンジンを積んだBRZの戦いがどのようなものになるのか注目していきたい。