ラストワンマイルのラクチンな乗り物が選び放題! 日本じゃけっこう見かける「レンタル自転車」がアジアで成功しないワケ (2/2ページ)

自転車の利点は環境負荷の低さくらいしかない

 ここまでは客を乗せてお金を取る、日本的にいえば旅客運送事業となるのだが、このほかに各オフィスビルやマンション、高級ホテルがテナント関係者や居住者、宿泊者向けに最寄り駅との間を結ぶシャトルサービスを運行している。

 シーローのように小型トラックの荷台を改造して客席として無料で運行していることがほとんどだ。さらには、筆者がよく見かけるのは、日本でもお馴染み日本資本のディスカウントストアが店舗周辺地域でシャトルバスサービスを行っているもの。これも小型トラックなどを利用したシーローのような車両で運行されている。

 日本では1メーター(料金メーター)の移動では運転士が舌打ちすることもあるタクシーでさえ、歩いて数分の移動距離でも文句をいわず乗せてくれるし、ライドシェアサービスも短距離移動で筆者もガンガン使っている。

 前述したレンタサイクルは30分から利用可能で料金は10バーツ(約50円)からとなっている。バイクタクシーやシーロー、シーローのような車両の無料シャトルサービスは冷房すら完備していないものの乗っているだけで移動可能(しかもシャトルサービスは無料)となる。そしてライドシェアやタクシーは冷房完備で移動できる。ある時、荷物があったので歩いても15分ぐらいの距離をライドシェア(しかもプレミアムなカムリ)で移動したが、200バーツ(約1000円)であった。

 筆者から見ればレンタサイクル利用の魅力は環境に優しいくらいしかないように見えた。東南アジアなど新興国ではタイに限らずラストワンマイルモビリティがすでに充実している。道路整備が進まず、歩道が歩きにくい(暑くて歩けないところも多い)、治安が悪いなどがその背景にあるようだ。

「同じお金を払うなら……」ともなるし、レンタサイクルは新興国では馴染みにくい交通インフラとなっているようである。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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