「タクシー」vs「ライドシェア」でなぜか対立構造になる日本!! 海外は見事に共存しているぞ! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■日本のライドシェアはタクシーとのライバル関係だけを報じている記事が多い

■タイではライドシェアとタクシーが共存しており、利用する車両や女性専用タクシーなど選べる種類が豊富だ

■日本でもタクシーとライドシェアが共存できる関係を模索するべきだろう

タイではタクシーの配車アプリを使うのが”超”有効!

 日本ではいまライドシェアサービス(以下ライドシェア)の導入について各所でホットな議論が続いている。報道を見ていると、「タクシーvsライドシェア」のような、日本人がいかにも好むようなバトル形式で報じている記事も見かけるが、ちょうどタイの首都バンコクへ出張に行ったばかりということもあり、バンコクの「共存タイプ」のライドシェアサービスを紹介していこう。

「いまどきバンコクに来るのなら『グラブ』のアプリをダウンロードしておいたほうがいい」とは、新型コロナウイルス感染拡大が落ち着きを見せ始めた2022年春に、コロナ禍後初めてバンコクを訪れるときに現地在住の知人が教えてくれたこと。

 欧米地域でライドシェアサービスといえば、「ウーバー」や「リフト」がメジャーなサービスプラットフォームとなるが、東南アジアでポピュラーなライドシェアサービスは「グラブ」となる。2018年、ライドシェアサービスなどを提供する「ウーバーテクノロジーズ」は、グラブへ同社の事業を売却し市場撤退をしたことも大きいようである。

 ちなみに東南アジアではないものの、インド国内では圧倒的にウーバーのサービスが便利で、しかも「世界一安い料金」ともいわれている。「出前迅速」ではないが、呼べばすぐ来るし料金も安く、まさに移動の足として重宝することができるようになっている。筆者の少ない経験では、ここまで便利に使える国はほかにないと思っている。

 話をバンコクに戻そう。

 バンコク市内でグラブにて配車サービスのマッチングを受けようとすると、希望車種の選択肢がじつに多い。グラブサービスに登録しグラブサービスの提供に特化している一般乗用車となる「ジャストグラブ」のほかに、グラブに登録しているタクシー車両を呼ぶことができる「グラブタクシー」という選択肢もある。

「女性が犯罪に巻き込まれやすくなるのではないか?」というリスクがライドシェアにはあるが、それを防ぐための「グラブレディース」という選択肢もある。そのほかには、カムリクラスに特化した上級グレード車や多人数乗車可能なミニバンなど、車種選択しようとすると悩むほど選択肢が存在している(グラブバイクというものもある)。

 グラブ専用ともいえる、ライドシェアに特化した車両は、はっきり言って街なかでは少なめなようで、選択しても滅多にマッチングすることはなかった。筆者が利用するときはほぼグラブタクシーを選択して、タクシー車両を呼ぶようにしている。バンコクの中心市街地や繁華街あたりにライドシェア専用車は集中して待機しているような印象を受けた。

 また、これはあくまでも私見だが、地元タイの人ならではのマッチング要請方法があるようで、繁忙時間帯であらゆる車種とのマッチングができずに困っていると、ホテルの若い女性従業員があっという間にジャストグラブ車両をマッチングしてくれた。自分のスマホでマッチングを行い、支払いを現金扱いにしてこちらで払うように呼んでくれたのである。

 ドライバーとのマッチングが成立すると、スマホの地図画面上にマッチングした車両が近づく様子が映し出されるのは日本のスマホでのタクシー配車アプリと同じなのだが、映し出されるマッチングした車両のアイコンは、それぞれのボディカラー(それに近い色)になっているのが特徴的であった。

 グラブタクシーに加盟しているのは、法人タクシー、個人タクシーなどとても多彩。タクシー車両の多くがグラブに登録しているようで、街なかで流しのタクシーを待っていてもなかなかこない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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