ポルシェ911のファンにとってはまさに究極の一台
911GT2 RSをベースとしたクラブスポーツは、やはり特別なアピアランスに満ち溢れた一台だった。もちろんそれはエアロダイナミクスをさらに向上させた結果のものであり、911GT3 Rのそれに共通するデザインのカーボンファイバー製リヤウイングを始め、やはり同素材で成型されたボンネットやエンジンカバー、フロントバンパースポイラー、エスケープハッチ付きのルーフなどは、クラブスポーツに専用のディテールとなっている。
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キャビンももちろん機能性と軽量性を重視したデザインで、レーシングバケットシートはドライバー用のみを装備。安全性とともにさらなる剛性を得るためのロールケージが備わることもまた、このモデルが誕生した背景というものを物語る。参考までに1390kgという車重は、911GT2 RSと比較して80kgも軽い数字。
リヤに搭載される3.8リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンの最高出力は700馬力と変わらない。これに7速のPDKを組み合わせ、後輪をのみを駆動。
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0-100km/h加速で2.8秒、最高速では340km/hを達成した。911GT2の初代モデルである993型の同データが、それぞれ4秒、295km/hであったことを考えると、改めてスポーツカーの進化というものには驚かされる。
ポルシェはこの911GT2 RSクラブスポーツを200台の限定で販売したが、先日そのなかの1台(シリアルナンバー65)が、RMサザビーズが開催したオークションに登場した。現在までに2190kmを走行したのみという出品車は、新車でF1ドライバーのマックス・フェルスタッペンに、2019年8月にデリバリーされたもの。実際に彼はそれをオランダのレーシングチームである、GPエリートのサポートを受けてドライブしていることも確認されている。
マックス・フェルスタッペンが所有していたポルシェ911 GT2 RSクラブスポーツ画像はこちら
フロントフードとエンジンルーム、助手席側のダッシュボードに残されたサインは、これもまた大きな付加価値となることは間違いないことが予想されていた。
シールド・ドロップ・オークション(入札価格や落札価格が公表されないオークション)であったため、RMサザビーズからは、このフェススタッペンの911GT2 RS クラブスポーツがどのくらいの価格で落札されたのか(あるいは落札には至らなかったのか)は明らかにされていないが、仮に落札されたとするのならば、それには相当なプレミアムが付いたことは確実だろう。ポルシェ911のファンにとってはまさに究極の一台なのだから。