AMGとかMに匹敵するパフォーマンス! キャデラックの「V」が狂気のバカッ速っぷりだった (2/2ページ)

EVでも高性能路線を貫く

リリックV

 リリックはキャデラックのSUVとして、初めてのBEVモデル。2026年からは、より強力なVシリーズが設定され、615馬力/881Nmのパワーを誇り、0-60mph加速3.3秒(約2.9秒を記録したテストもある模様)をマークしています。

 デュアルモーターによる全輪駆動で、航続距離はEPA推定値で285マイル(約460km)、最新のEVらしく優れた充電効率を誇り、自宅のバックアップ電源としても活用可能。SUVのEV化にあたっては、やはりアメ車がリードしているようで、リリックVはそのトップランナーと呼んでも差し支えないでしょう。

 もちろん、パワーだけでなく22インチの大径ホイールや、ほかのVシリーズ同様にブレンボのキャリパー、さらにはザックス製アダプティブダンパーなどを搭載し、パフォーマンスとラグジュアリーを高い次元で両立しています。とはいえ、お値段は7万8600ドル(約1220万円)からスタートと、Vシリーズのなかではリーズナブルな設定です。

 なお、下位グレードのオプティックVは519馬力/880Nmとしながら、0-60mph加速3.5秒と十分以上のパフォーマンスが与えられています。6万7300ドル(約1048万円)のスタンダード価格も、キャデラックのプレミアモデルとは信じがたいバーゲンプライスかと。

CT4-V ブラックウイング

 Vシリーズ発売20周年を記念して作られたコンパクトスポーツセダン「CT4」のハイエンドモデル。2015年のFIA GT3クラスでチャンピオンを獲得したレーシングカー、ATS-V直系のマシンと聞けばそのポテンシャルにも期待が高まることでしょう。

 3.6リッターV6ツインターボを搭載、478馬力/602Nmを絞り出し、6速MTまたは10速ATを介したFRモデルとなっています。CT-5ブラックウイングに比べると物足りない気もしますが、0-100km/h加速はATでも約3.9秒、最高速度は304km/hに達すると聞けばAMGやMを追いかけるのにも十分かと。

 性能のわりにリーズナブルなVシリーズゆえ、スタンダードのCT4-Vが5万600ドル(約790万円)ブラックウイングが6万3600ドル(約990万円)というベース価格。景気上向きのアメリカでは、キャデラック・ディーラーを訪れる客のほとんどがVシリーズを選ぶというのも納得ですね。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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