知らずに「ベース車」がわかったら天才! 鬼才スバッロが作った「アルカドール」の中身はなんと「テスタロッサ」だった (2/2ページ)

アルカドールの独創的すぎるスタイリング

 また、リヤエンドを見ればたしかに4本のエキゾーストパイプこそ認められるものの、180度V12エンジンはその片鱗すら見せてもらえないのです。フロントやフェンダーのエンブレムで、かろうじて「フェラーリがベース……なのか?」と想像できるくらいかと。

 ディテールを追っていくと、フロントのヘッドライトをくり抜いたようなダクトは、車内のパイプへフレッシュエアを取り入れ、ドアの上を通ってエンジンルームへと導かれます。このアイディアも驚きですが、パイプを通したドアの下半分を大きくえぐり、しかも透明のアクリルで覆うというのもスバッロらしさが全開。もしかすると、ドアをえぐるデザインは、同様のアイディアをもったテスタロッサへ敬意を払ったのかもしれませんね。

 また、敬意かどうかは別にして、テスタロッサからはエンジンのほかにメーターパネル、ステアリング、そしてセンターロックのハブなどがキャリーオーバーされています。逆にいえば、それ以外のインテリアやシャシーコンストラクションはすべてスバッロによるオリジナルということに。スペシャルカーファクトリーは星の数ほどありますが、ここまで作りこめる、生み出せるスバッロはもはや超常現象と呼んでも差支えありません。

 なお、アルカドールのエンジンはチューンアップされていない模様ですが、車重はストックのテスタロッサと等しく、1600kg程度とされているので、パフォーマンスに大きな差は生まれていないはず。

 最高速についても、フェラーリは330km/h以上を豪語していましたが、1995年のジュネーブショーでお披露目されたアルカドールは(フェラーリの大言壮語を分かったうえで)300km/h程度と控えめな発表がなされています。

 ともあれ、スバッロはアルカドールの名前やエイリアンのようなスタイリングをとても気に入っていたらしく、2009年には前述のアルカドールGTO LOを発表し、そのバリエーションもいくつか製作しています。1995モデルよりはコンサバティブなものの、またしてもひと目ではとてもテスタロッサ(ベース車は512TR)とは思えません。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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