いまの世のなかはなんでもかんでも甘すぎる
「昭和の時代は、とにかく休まず走れっていう指令が会社から出ていました。決まった休日なんてものはなくて、仕事が取れなければ休みになるという感じでした。当時は茨城県に住んでいたのですが、配達先の大阪で休みにされても、することなくて困りましたよ(笑)。家族のために働いているのに、家族と過ごせない日々が辛かったですね。そんな時代を過ごした立場からものをいうと、いまみたいなぬるい環境も捨てたもんじゃないですね。最低でも週に1日は休みがあるし、時間的余裕のある仕事ばかりだし。法定速度遵守の会社でハンドルを握っているので、荷物ももちろん定量積載ですしね。昭和や平成のころはすぐに免停とかになったけど、いまはトラックに乗りながらゴールド免許ですよ(笑)。過積載で寝る間を惜しんで走れっていう当時だと、とても考えられないことですよね。仕事に対する面白みはなくなりましたが、人間らしい暮らしができるようにはなりました。自分も年を食いましたので、ちょうどいいです(笑)」
こちらもドライバー歴50年の、Bさん。昔もいまも、変わらず大型トラックで長距離を駆けている。
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「昭和と令和で、どちらがよかったか。仕事はキツかったけれど、やっぱり昭和のほうが面白かったですね。頑張れば頑張るほど実入りは増えるし、やりがいがありました。各地でうまいもん食ったり、女こさえたりもできましたし(笑)。いまはコンプライアンスが厳しくて、関係のない人間をトラックの助手席に乗せることもできないし、路上駐車にも厳しくなりましたからね。それに物価が上がっているくせに運賃は安いから、張り合いがないですね。ドライバーの質も、大きく下がりましたね。大型トラックも乗用車も、とにかく下手なドライバーが増えました。ですから、運転中だって本当に気が抜けないです。昭和のころは、トラックドライバー同士のマナーや挨拶ごとがあったので、楽しかったですよ。いまは自分でハンドルを握ることはほとんどないですが、昭和の時代に大型トラックを転がせた自分を、幸せ者だったと思います」
こちらは、現在運送会社を経営するCさん。18歳から70歳にいたる現在まで、トラックひと筋の人生を過ごしてきた。それだけに業界の酸いも甘いも知り尽くしているのだが、令和の時代にいい部分は見当たらないという。
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続けてCさんは、「トラックに乗りたいと思って志願するのではなく、仕方なく乗るんだっていう考え方の子が多くなりました。そんな子は、やっぱり続かないですね。誰にでもできる仕事なんてタカをくくって入社しても、すぐに体力や気力がもたずに辞めていきます。基本的に、平成生まれになると根性がない子が増えたように感じてしまいますね。やっぱり、親や学校の先生が厳しくないとダメなんじゃないですか? いまの時代はすぐにパワハラだ、ブラックだ、コンプラ違反だなんていうけれど、そういう言葉が人間をダメにしていると思いますね。口だけ達者で、中身のない子が増えたように感じます。優しくて甘いだけじゃ、子どものためにならないですよ」と続けた。
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各家庭の子育てに口を挟む気はさらさらないが、誤った教育が愛する子どもをダメにする。そのことだけは、忘れないほうがよさそうだ。そして、働いている側も都合のいい言葉や風潮に惑わされることなく、たとえ厳しい職場環境であっても自分の力で乗り越えていってほしいと願う。