この記事をまとめると
■バンコクで開催された「モーターエキスポ2025」ではマット塗装の展示車が目立っていた
■純正ではなく特別色としてマット塗装のアルファードや中国BEVなどが展示されていた
■タイでも中産階級が増えて多様性や個性を意識するクルマ選びがなされているようだ
マット塗装の展示車が目立った「モーターエキスポ2025」
2025年末に開催された「モーターエキスポ2025(第42回バンコク国際モーターエキスポ2025)」会場内に展示されていた展示車でブランドを問わず目立っていたのがマット塗装を施した展示車である。マット塗装とは、一般的な塗装と比べると艶消しともいわれるほど光沢を抑えた特殊な塗装となっている。
中国シャオペン(小鵬汽車)ブースへ行くと、同ブランドのタイでの旗艦車種ともいえるミニバンタイプのBEV(バッテリー電気自動車)「X9」では、特別塗装色としてマット塗装(マット塗装風?)展示車が置いてあった。トヨタブースへ行くと、タイの人が愛してやまないアルファードのマット塗装(マット塗装風?)の展示車が置いてあった。
マット塗装のシャオペンX9画像はこちら
タイでは日系ブランドの販売シェアがかなり高まっている。そのなかでも非常によく売れるモデルは限られており、まわりの人と被るケースがかなり多いと聞いている。とくに被っても気にしない人が大半のようにも見えるのだが、大径タイヤやエアロパーツなどでドレスアップして、ほかの人と差をつけたい人も目立つ。しかもタイでは自家用車だけではなく、タクシー(個人)、はたまた長距離都市間バスや救急車に至るまでドレスアップが目立っているようである。
前述したアルファードでは、メーカー公式サイトで調べると、黒系、パールホワイト、グレー系の3色しか用意されていないが、バンコク市内においてメロンソーダを少し暗くしたようなボディカラーのアルファードを目撃した。カタログカラーでは確認できなかったので、専門業者に塗装を頼んだと考えられるが、その仕上がりは見事なものであった。
マット塗装のトヨタ・アルファード画像はこちら
街なかを走るクルマを見ていると、カタログカラーのバリエーションが少ないのか、それほどボディカラーで個性を競うということはないようで、ホワイト系、黒系、シルバーやグレー系が圧倒的に多い。新車購入ではローンの利用が原則で、比較的短期間で乗り換える傾向も目立つので、再販価値を意識して無難な色を選ぶ人が多いのかもしれない。
ボディカラーは、日本でもタイのように偏る傾向がある。派手な色や好き嫌いのはっきりする色では年式が新しいほど下取り査定や買い取り査定での査定額算定のマイナスポイントが高くなる。ただ、軽自動車あたりではその限りでもないと話を聞く、ほかのクラスでも昔ほど厳格に差がつくというものでもないとの話も聞いている。タイでもコンパクトなモデルほどボディカラーは多岐にわたっているので、日本の軽自動車と同じように、タイのコンパクトモデルもカラーバリエーションが多いなか、女性ユーザーが多いことが影響しているのかもしれない。
タイ・バンコクの道路を走るクルマ画像はこちら
マット塗装に戻すと、このボディカラーを施すのは高級車ほど多いように見受けられる(どの国でも)。富裕層でも資産価値をメインに車種選びする人もいるが、そんなことを気にせずに趣味で自分の好きな仕様で乗りたいという人と両極にわかれる傾向があるとも聞いているので、マット塗装車も意外に多くなっているのかもしれない。
今回見かけたマット塗装(マット塗装風)展示車は、タイではハンパない資産をもつというトップ級の富豪が乗るような超高級車ではなく、上級中産階級のようなクラスの人が乗るクルマとなっているように見える。経済成長とともに社会も成熟化へ向かうなか、中産階級というものが増えていき、多様性や個性を意識する、そのような階層へのアピールを強めようとしているのかもしれない。