この記事をまとめると
■1984年のトリノショーでピニンファリーナからスーパーカー「HP-X」が発表された
■HP-Xはドアのないキャノピーが与えられたウェッジシェイプボディが特徴だった
■HP-Xのスタイリングはのちに登場するNSXに影響を与えたことを感じさせる
「HP-X」は現代技術を先取りした未来のクルマだった
日本初の量産スーパーカーとしても知られる初代ホンダNSX。そのプロトタイプとして1989年に発表された「NS-X」は知られるところだが、その前身ともいえるモデルが、1984年のトリノショーで発表された「HP-X」というコンセプトカーだ。
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このHP-Xは、イタリアのピニンファリーナが手がけたウェッジシェイプのボディが与えられており、車名のHP-Xの「HP」とは、「HondaとPininfarina」の頭文字を表している。
そのデザインはいかにも1980年代前半のコンセプトカーといったものとなっているが、空力特性のよさそうなノーズの低いデザインなどは、NSXとの関係性を感じさせるもの。
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とくにエンジンは、排気量こそ2リッターではあるが、V6エンジンをミッドシップに搭載しており、のちのNSXに繋がるモデルとして重要な役割を果たしていた。なお、このV6 2リッターエンジンは、当時のホンダのF2用Racingエンジンをベースとしたものとされており、スペックこそ明らかとなっていないが、相応のパフォーマンスを備えたモデルとして開発されていたことがうかがえる。
そんなHP-Xの大きな特徴のひとつが、ドアを廃してその代わりにジェット戦闘機などに用いられているような、取り外し可能な一体型のキャノピーを備えていたことだった。
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また、軽量化や性能向上のために、当時としては最先端となるハニカムパネルやカーボンファイバー、ケブラーといった素材が惜しみなく投入されていたこともポイントだったのである。
結局、HP-Xはあくまでコンセプトカー止まりで実際に市販車が登場することはなかったが、1990年に販売を開始した初代NSXがキャノピー形状のキャビンを備えるなど、HP-Xから何かしらのインスピレーションを受けていたことは間違いないだろう。
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なお、HP-Xについては、2024年8月にアメリカのモントレーで開催されたペブルビーチ・コンクールデレガンスにピニンファリーナの手によってレストアされた個体が展示されている。この車両はピニンファリーナが長らく保管していた個体であり、エンジンなどは搭載されていないとのことだったが、40年の時を経て復活した姿は多くの人の注目を集めていたようだ。