やっぱり草レースはこうでなくちゃ! 本格的だけど敷居が低い「S耐チャレンジ」の考え方が素晴らしい!! (2/2ページ)

モータースポーツ界を支える人材育成の起点にも

決勝は16日の日曜日、825分にスタート。幸いなことに両日ともドライコンディションで決勝は晴天にも恵まれた。そして今回、おそらく参加者たちが一番悩んで苦しんだのが、決勝中に最低1回は義務付けられたピットイン。ピットロード入口から出口までの定められた区間において、ドライバー交代のため、さらにフロントまたはリヤのタイヤをローテーションするために合計6分間は滞在しなければならないという規定だ。作業できるのは交代したドライバーを含めて最大で4名。ガレージジャッキはOKだが、エアや電動工具はNGで、車輪止めなどの安全を確保した上での迅速な作業が求められた。

ちなみに各ドライバーの運転時間も36分までと、極端な作戦も取りづらいルールだった。結果として6台がこうしたルールに違反。とくに多かったのがピット滞在時間の不足で、その程度によって競技結果に対して40秒から108秒までのペナルティが加算されてしまった。なかには総合トップでチェッカーを受けたチームもいたが、それも貴重な学習の機会だと受け止めれば、将来のためにも納得できる運営だったと思う。

結果としてもっとも速く60分を駆け抜けたのはSC-Rクラスの88号車。24周を6017855というタイムで走り、ポールtoウィンを達成している。以下、SC-Yクラスの36号車(橋本 隼/瀬川彰斗)が総合3位でフィニッシュ。SC-Yクラスの505号車おうちの買い方NUTEC制動屋ヴィッツ(平岡塾長/三浦康司)も、総合15位かつ同一周回の24ラップで完走している。N-ONESC-Nクラスのトップは6号車ラウズRプロμN-ONE(黒羽啓太郎/吉田祐太)で、さすがに周回数は21ラップ(総合32位)となっている。

本番と同様にレースの雰囲気を味わってもらおうと、各クラスの上位3チームがポディウムに呼ばれて、暫定表彰式も開催。大会に協賛したブリヂストンの赤いキャップを被ってのシャンパンファイトも行われた。ただし、順位は付けても、正式表彰式では完走した全チームにトロフィーが授与された。これも「S耐チャレンジ」らしい演出だといえるだろう。

特筆したいのが、今回パドックとして用意されたモビリタでの講習とシミュレーター体験の充実ぶりだ。土曜日の午前中には50分間×2回の講習で、サーキット走行の基本から予選アタックまでを学び、その後は本格派のシミュレーター体験でトレーニング。さらに予選終了後には決勝に向けた講習50分間に加えて、タイヤ交換の講習時間も設けられた。ドライビングアドバイザー陣にもロニー・クインタレッリ氏と蘇武喜和氏という豪華な顔ぶれがスタンバイ。これだけでも今回の参加費用が破格だったことがわかる。

そして2026年は、3回にスケールアップしての開催がすでにアナウンスされている。日程は32122日のモビリティリゾートもてぎ(栃木県)、74日のスポーツランドSUGO(宮城県)、111415日の富士スピードウェイ(静岡県)の3大会。いずれもS耐のサポートレースとしての開催だ。さらに19日からの「東京オートサロン2026」ではシミュレータ大会「頂上決戦東京オートサロン2026」を開催し、その賞品として「S耐チャレンジ参戦権」が提供されるという。

また、参加車両についても2026年以降は拡大の方針が示され、車両準備にかかる負担を軽減するための競技車両レンタル制度の導入を予定している。さらにSTMOからは、2027年以降にEVやハイブリッド車両のクラス、S耐の「ST-Qクラス」のような試験・開発目的車両の導入といったアイディアも発表された。さらに将来的なロードマップとして、25歳以下のドライバーを対象とした特別クラスの設定や、地方サーキットでの開催、女性ドライバー育成プログラムといった構想案も披露されている。


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