この記事をまとめると
■21世紀が始まると同時に発表されたスーパーカーがエドニスV12だった
■エドニスV12は倒産したブガッティからEB110のモノコックを引き継いで誕生
■21台の限定販売の予定であったがわずか2台の生産にとどまった悲運のスーパーカーだ
21世紀のスーパーカーはエドニス登場から始まった
2026年の始まりは、すなわち21世紀の第2四半世紀の始まりでもある。そしてこれまでの25年間に、我々はさまざまなスーパーカーが誕生する瞬間に立ち会い、そして常にその進化や魅力に心を奪われ続けてきた。2026年は第1四半世紀のスーパーカーを改めて総括する年としたい。そう考えた筆者は、21世紀が始まった2001年から2025年までにデビューしたスーパーカーのなかから、とくに印象的なモデルを各年それぞれに10台ずつチョイス。トータルで250台のスーパーカーを解説していくという新企画を編集部に提案。ここにそれが実現することになった。
21世紀に誕生したスーパーカー。その記念すべきファーストモデルの座を射止めたのは、イタリアのBエンジニアリング社が2001年1月1日の午前0時0分、つまり21世紀が幕を開けた瞬間に(あくまでも現地時間での話だが)モデナでアンヴェールした、「エドニスV12」だった。新世紀を意識してのことなのだろう、21台の限定車として発表されたエドニスV12は、まさにモデナを中心とするイタリアン・スーパーカーの聖地と、それに関連してきた人物こそが生み出したモデルにほかならなかった。
エドニスV12のフロントスタイリング画像はこちら
エドニスV12を発表したBエンジニアリング社は、かつて1995年に倒産するまで、やはりモデナ近郊のカンポガリアーノに本社を構え「EB110」シリーズを生産していた、ブガッティアウトモビリで副社長の職を務めていたジャン・マルク・ボレル氏によって、2000年に設立されたスーパーカーメーカーだった。
同社はブガッティの倒産後にファクトリーに残されていたEB110用のパーツの一部を購入。そのなかには17台分のエアロスパシアル製カーボンモノコックも含まれていた。Bエンジニアリングはそれを流用して、21世紀に新たなスーパーカーを生産する計画を立ち上げたのである。
エドニスV12とブガッティEB110画像はこちら
エドニスV12の開発でチーフエンジニアに指名されたのは、ブガッティEB110を最終的に完成させたニコラ・マテラッツィだった(当初EB110の開発はパオロ・スタンツァーニの主導で進められていた)。フェラーリではあのF40を開発したことでも知られるマテラッツィは、まずBエンジニアリングに、日本の日産自動車の子会社であるNISMO(当時)から供給される、800馬力級のV型8気筒DOHCツインターボエンジンの搭載を提案するが、このプランは1999年に日産がフランスのルノー傘下に再編されたことなどを理由に実現することはなかった。