この記事をまとめると
■ブリヂストンは東京オートサロン2026で新スポーツタイヤRE-71RZを発表した
■ブースには象徴的存在としてポルシェ959が展示されポテンザの歴史を物語っている
■959純正採用に始まる技術的挑戦が現在のRE-71RZへと受け継がれている
ポテンザの技術的な礎となった挑戦
ブリヂストンの新たなスポーツタイヤ「ポテンザRE-71RZ」は、東京オートサロン2026が発表会場に選ばれた。リアルスポーツを掲げるタイヤだけに、ブースではランボルギーニ・レヴエルトや、トップシークレットが仕上げた日産GT-Rなど名だたるマシンに装着されていた。とはいえ、観客の目をくぎ付けにしたのは、真紅のポルシェ959だったに違いない。ポルシェ初のスーパーカーは、ブリヂストンのタイヤ技術が世界レベルで認められたことを示す、象徴的なモデルだったのだ。
1982年にブリヂストンはポルシェにも装着できるポテンザのハイエンドモデル「RE91」を開発したものの、純正装着の承認には時間がかかった。が、ポルシェ本社でRE91の評価は非常に高く、正式に959向けタイヤの開発要請を受けることに。1984年には社内にPA(ポルシェ・アプローチ)委員会を発足させ、高性能タイヤの開発による技術力の極限までの向上、海外自動車メーカーへの納入ノウハウ獲得を目指したのだった。
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いうまでもなくポルシェ959は最高速度300km/hを超えるスポーツカーで、タイヤは走行性能とともに、高速のランフラット性能が求められていた。ランフラット性能、高速性能、操縦安定性、フィーリングをそれぞれ高いレベルで満たす開発は困難を極めたという。また、当時としては偏平率45、40シリーズ、かつ超高性能のタイヤを量産することは簡単なことではなく、タイヤ成形は959専門の技術者しかできなかったほど。
そして1985年、ついにポテンザRE71がポルシェ959純正タイヤとして承認され、純正装着がスタート。有名なNコードが初めて刻まれたのだ。ポルシェ(あるいはフェラーリ)のユーザーにはお馴染みのNコードだが、平たく言えば各車両向けに開発された専用タイヤに与えられるもの。グリップ性能だけでなく、ハンドリング、ブレーキ性能、静粛性、高速走行時の安定性など、ポルシェ独自の厳しい基準をクリアすることが義務づけられている。
ポテンザRE71画像はこちら
こうした歴史を振り返れば、ポルシェ959はブリヂストンにとって「挑戦の歴史」と「未来への進化」を繋ぐアイコンにほかならない。ブースに並べられたポテンザの歴代モデルにしても、959に採用された初代は別格扱いというのも大いに納得できよう。
そして、展示された959には、最新のポテンザRE-71RZを組み合わせている。これほどポテンザの進化をアピールできる組み合わせもないだろう。
ポルシェ959が装着したポテンザRE-71RZ画像はこちら
もっとも、ブリヂストンはいまでも959の純正タイヤ、RE71 N0をごく少量ながら959オーナー向けに生産し続けているという。これもまた、同社の矜持や真摯な姿勢を感じさせてくれるエピソードに違いない。