【試乗】スーパーハイトワゴンの使い勝手と悪路走破性を併せもつ! 新型デリカミニは誰もが買って間違いなしのオールラウンダー (2/2ページ)

スーパーハイトワゴンにおける三菱の切り札

 視界のよさも大きな強化ポイントである。Aピラーは10cm前方へ移動し、さらに細く設計されたことで斜め前方の死角が劇的に減少した。日常域での安心感は高く、スーパーハイトワゴンの軽自動車でありながら取りまわしのしやすさに寄与している。

 インテリアは、12.3インチセンターモニターと7インチメーターを一体化した、EVライクな先進的な一体型レイアウト。質感は軽自動車を超える仕上がりで、ウォータープルーフシート生地や清掃性の高い内装はアウトドア用途を強く意識した仕様である。

 スマートフォン連携なしで使えるGoogleビルトインナビを搭載し、車両専用ルート案内や音声操作によるエアコン調整も可能。アプリ利用時の通信は、ドコモ・イン・カー・コネクト(有料)やテザリング等を使えば、購入から10年間は通信無料という点も大きな付加価値だ。

 デリカミニは、都市部のスーパーハイトワゴンの軽自動車という枠を越え、山岳地域・雪国ユーザーの現実ニーズに合致するモデルとなった。かつてパジェロミニが郊外で圧倒的な支持を得た背景を考えると、この4駆軽の存在価値は現在も揺るぎない。この市場において同車は長らく待ち望まれていた本命といえる。

 静粛性と乗り心地は普通車に匹敵し、快適性と走破性の両立は評価すべき仕上がりである。一方で、加速時のエンジン音やステアリングの ラバーフィールは改善が求められる部分だ。標準タイヤは、より一段上のグレード(銘柄)が採用されるべきだろう。

 ルーフレールは先代では標準装備だったが、雪国ユーザーから「雪下ろしがしにくい」「雪下ろし器具が引っかかり傷がつく」といった声が多く、今回はメーカーオプション化。雪国の生活環境にも寄り添う三菱ならではの判断である。

 総じて、4駆軽が再び脚光を浴びつつある現代において、デリカミニは三菱の技術と哲学が凝縮されたモデルであり、今後も競争が激化するスーパートールワゴンの軽自動車市場における力強い選択肢となり得る。

 販売面では月販4000台が目標のところ、すでに1万3000台超(2025年11月現在)の受注を記録し、残価設定率も50%超えと極めて高く、また三菱の課題だった女性ユーザーが4割を占めるという販売状況も注目に値する。


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中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
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海外巡り
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クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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