2000年に75年ぶりの復活も果たすもその後2回も倒産! それでもまた復活した蘭のスーパーカーメーカー「スパイカー」【21世紀スーパーカーFILE #006】 (2/2ページ)

復活と倒産を繰り返すスパイカーの象徴「C8」

 スパイカーが復活したというミレニアムイヤーに伝わったニュース(実際には1997年から水面下で復活への動きは進められていたという)、そして21世紀の最初の年である2001年から生産が開始された、新生スパイカーからのニューモデルたる「C8」は、カーエンスージアストにとって確かに大きなトピックスとなった。

 最初に登場したC8は、ソフトトップを備えるオープン仕様の「スパイダー」だったが、それからすぐにガラスルーフを備えるクーペ仕様の「ラヴィオレット」もラインアップに追加されている。

 ミッドに搭載されるエンジンは、いずれもアウディ製の4.2リッターV型8気筒DOHC 40バルブで、最高出力は400馬力を発揮。さらに、スパイダーに2002年から設定された高性能版の「T」では、それにツインターボを組み合わせた525馬力のパワーユニットが採用されている。

 また、この年にはル・マン24時間レースへの参戦を目的として開発、製作された、マーダーBMW製の4リッターV型8気筒エンジンを搭載する「ダブル12」のロードバージョン、「ダブル12S」もC8シリーズのラインアップに加わり大きな話題を呼んだ。400馬力から620馬力まで5段階のパワーステージが選択できたこのモデルのパフォーマンスは圧倒的で、もっとも高性能な620馬力仕様は0-97km/hを3.8秒で加速し、最高速では345km/hを可能とした。

 高性能なエアロダイナミクスとともに、クラシカルな雰囲気をも醸し出したボディデザインや、まさにクラフトマンシップの極みともいえる、豪華なインテリアのフィニッシュも、多くのカスタマーをスパイカーの世界へと迎え入れる原動力となったことは間違いのないところだろう。

 C8シリーズはその後、2009年にはセカンドジェネレーションとなる「エルロン」シリーズに進化。さらに2016年にはサードジェネレーションの「プレリエーター」シリーズが生み出されるに至ったが、2021年に深刻な経営難から倒産(実際には2014年にも倒産を経験している)。

 同社の持つ知的財産権や、デザインと商標の所有権などをすべて確保する条件で和解が成立し、再びスーパーカービジネスをスタートできるというコメントが世界に発信されたのは、つい最近、2025年10月14日のことだった。今後の動向に注目したいメーカーのひとつである。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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