バブル時代に日本でも伝説に! 「上品に乗る」が当たり前のフェラーリをとんでもないワルに変身させた「ケーニッヒ」の衝撃 (2/2ページ)

いまなお色褪せない存在感

 そんなケーニッヒ製フェラーリの集大成こそ、テスタロッサをベースにF40をぶち抜こうと企てられた「ケーニッヒ・コンペティション」にほかなりません。スタイリングは強引なまでにF40へと寄せられ、5リッターV12エンジンはツインターボを装備、最大1000馬力まで出力することが可能とされたのです。これで世界中の度肝を抜き、ケーニッヒはその位置を盤石なものにした、といって差し支えないでしょう。ちなみに、このころのパートナーはエアロ関係でシュトロゼック、エンジンチューンにはツーリングカーの魔術師として有名なフランツ・アルベルトなどそうそうたる顔ぶれが並んでいます。

 フェラーリで名を馳せたケーニッヒは、次々とほかの車種に手を伸ばし始めました。1990年代はスペシャルカーといえばどんなメイクスでも飛ぶように売れていましたし、ケーニッヒといえどもフェラーリの入手に苦労しはじめていたのです。で、メルセデス・ベンツ560SECやポルシェ928をツインターボやスーパーチャージャーでチューンアップ、例によってエラのあるオーバーフェンダーを加えるというおなじみのスタイリングで作り上げていったのでした。

 また、この時期になるとエンジンチューンを省いてスタリングだけのキットも多数リリースされています。要はカッコだけワルっぽかったらそれでいい、という顧客向け。当時の日本はケーニッヒにとって最大の市場であり、このスタイルキットだけでも相当な数が出まわったと思われます。もっとも、海外でもスタイルキットだけのケーニッヒは数多く生息しているようで、オークションにはいまでもそうしたクルマが出品されているようです。

 現在のケーニッヒはヴィリーの息子、ウォルターへと代替わりをしており、残念ながらコンプリートカーの製作は行っていない模様。その代わり、これまで製作したモデルのレストアや、さらなるカスタマイズ(!)などに応じているとのこと。ともあれ、隆盛から数十年がたったいまでも、ケーニッヒを見れば胸の高まりが抑えられなくなるのは、決して筆者だけではないでしょう。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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