エンジンやミッション移植時の面倒な申請が不要になる!? クルマのチューニングショップに舞い込んだ朗報の中身 (2/2ページ)

改造申請が大幅にラクになる可能性

 さて。前置きが非常に長くなったが、こんなにも大変な改造申請がなんと、なくなる可能性が出てきたのだ!

 この一部のチューナーにとって大ニュースを発表したのは、独立行政法人自動車技術総合機構(以下:NALTEC)。自動車の検査(車検)や型式認証審査(新車の安全・環境性能確認)、リコール検証、基準策定研究などを担い、自動車の設計から使用段階までを管轄する機関だ。

 同機関は、「改造自動車届出制度の見直し」といったプレスリリースを2026年1月28日に発行。その中身には、以下のように書かれている(一部省略)。

改造自動車届出制度は、改造内容について届出を得ることにより新規検査等当日の保安基準への適合性の確認を適正かつ効率的に行うことを目的としたものだが、昨今のデジタル化推進に伴い届出手続きの効率化を図っていく必要がある。また、自動車機構における自動車の構造・装置の変更等に伴う事前書面審査制度は「新規検査等届出制度」と「改造自動車届出制度」が存在し、自動車の形態によっては同一の検査において2種類の届出が必要となり、新規検査等に係る手続きが煩雑になる場合があります。これらの課題を解消すべく、審査事務規程の一部を改正することとする。

 要するに、書類作業が増えて非効率なので、検査などの簡略化をおこない、スムースに車検や改造申請を進められるようにするということだ。プレスリリース内の紹介では、「動力伝達装置」、「走行装置」、「緩衝装置及び連結装置」に関連する改造は、一定の安全性が確保されているものとして、改造自動車の届出対象から除外すると紹介している。

 一例で挙げられているのは、「自動車メーカー純正部品を変更することなく用いた改造」、「アフターパーツメーカーが製造し一般市場において流通している自動車部品を変更することなく用いた改造」だ。つまり、先の例で挙げたATのシルビアをMT化したり、70系ランドクルーザーなどに使われる、リーフスプリングを変えてリフトアップするなど、事情の説明などは都度必要かもしれないが、いままでのようなややこしい改造申請が不要ということだ。また、購入時に強度計算書が付いてくるアーム類やリーフスプリングについても、車検時に書類の提出だけで済むそう。

 とはいえ、シルビアの数はかなり減ってきているので、最近のクルマで今後ありえるとしたら、ATの86(ZN6)のMT化などが該当するだろうか。ただし、MTの設定がもともとないクルマに、同じメーカーのミッションとエンジンだからといって、MTや設定のないエンジンを載せ替えるのは、いままでどおり改造審査が必要なようだ(アルファードのMT化など)。

 ただし、これには車種やメーカーによってさまざまな抜け穴や、「この場合どうなるの?」と、イレギュラーなことも無数にありそうなので、まだまだ精査が必要だろう。実際、「これはどうなんだ?」「この制度は反対(賛成)だ」などのパブリックコメントを、NALTECでは、FAX、メール、郵送で令和8年2月10日(火)まで受け付けている。有識者の意見を聞いた上で、どう運用していくか検討するのだろう。このままでは施行直後、現場の検査員やもち込んだ人も混乱する可能性も否定できない。実際、SNS上でも「これは?」「この場合は?」と、混乱気味だ。

 リリース上では、令和8年3月に法改正を行い、令和8年7月からこの制度を施行する予定としている。

 ここにきて、チューナーたちにとっての大ニュースが舞い込んできたわけだが、この制度が今後どうなるのか、どのように運用されるのか、改造車好きの筆者としては引き続き注目したいものだ。


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WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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