石油運搬でお馴染みのタンクローリーと似て非なる「バルク車」! 意外と知らない「粉」の運び方

この記事をまとめると

■タンクローリーの世界にはバルク車と呼ばれる車両がある

■粉粒体や小麦粉やセメントなどを運ぶのが主な用途だ

■積み下ろしの作業がないかわりにほかの部分で労力が掛かる

タンクローリーとは違う? バルク車とは

 運搬物の種類によって使いわけられるローリーのなかにバルク車がある。これは粉粒体(ふんりゅうたい)と呼ばれる粉、または粉状のものを運搬するために作られた特殊用途自動車のことで、正式名称は粉粒体運搬車だ。荷台構造や積み荷によってホッパー車やバルクローリーなどとも呼ばれ、小麦粉やグラニュー糖などの食料品、セメントや石灰などの砂系、化学薬品や化学素材の素となるペレットなどを運ぶためのトラックだ。

 このバルク車は荷台の部分はタンクになっており、積載物はタンク上部の投入口から積み込む仕組みになっている。またタンクの内部はいくつかの部屋にわかれているため、種類の違う複数の粉粒体を運搬することが可能なのが特徴だ。

 さて、このバルク車だがタンク上部の投入口から投入した粉粒体を降ろすときも、少し変わった方法を取る。それが空気の力を使った排出方法だ。

 積載物を降ろす際は工場の設備、またはバルク車搭載のエアーコンプレッサーやブロワーなどを使い、積載物と空気を混合し流動化状態にするのだ。

 もう少し詳しく説明すると、粉粒体を投入してタンク上部のマンホールを閉める。そこにエアーを送ることで圧縮する。さらにタンク内の下部分からもエアーを入れて粉粒体と空気を混ぜるとタンク内は加圧されている状態になるので、排出バルブを開けると粉粒体をエアーと共に排出できるというのがその仕組みだ。これがエアスライド式と呼ばれる方式だ。

 このほかにもタンクを傾斜させることで積載している粉粒体を後部排出部から排出するダンプ式や、荷台部分がトレーラーとなっているもの、鶏、豚などに必要になる飼料を運搬し、排出は荷台の上部の投入口までスクリューコンベアで運ぶものなどがある。

 こうしたバルク車はタンクローリーと形が似ていることもあり、混同されやすいので、その違いを説明しておこう。タンクローリーもタンク内にものを詰めて運搬するという点では、バルク車と同じだ。しかし、運搬するものが水やガソリンといった液体が対象であることが大きな違いとなる。

 またバルクという意味ではプロパンガスを専門で運ぶバルク車も多く、これらはプロパンガス専用のバルクローリーと呼ばれる。これはバルク輸送が、積荷の梱包を行わず、大量の貨物をそのままの状態で輸送する方法のことを指すからであり、粉体だけでなく、液体・固体の輸送のことも含まれるからだ。

 こうしたバルク車だが、ドライバーにはそれぞれバルク車だからこその苦労もある。バルク車は積載物の特徴から手積み手降ろしという作業はないものの、重量のあるホースを運んだり、パイプを車両に接続したりする力仕事も多い。また粉粒体を送り込む際は、ホースが外れてしまわないように、パイプの接続作業に気を使う部分もあるのだとか。

 さらに肥料運搬や牛乳を集荷する集乳車は、業務の特性上、どんな天候でも集荷は休めないのだ。付け加えるとバルク車はタンク上部に投入口があるため高いところの作業が苦手な人には向かないともいえる。

 街なかで走っているバルク車は数多いものの、通常のタンクローリーと区別がしにくいことから、見落としがちだが、機会があれば積載物をチェックするのも面白いかもしれない。


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