どうしてこうなった? 「3人横並びスーパーカー」「横置きV型エンジン」クルマの謎レイアウトたち (1/2ページ)

この記事をまとめると

■一見成立の経緯が不可解な奇妙なレイアウトをもつクルマは多い

■さまざまな理由からフロントシート横3人乗りが採用された例は少なくない

■三菱GTOやプラウディアは大排気量エンジン横置きFFという異例設計を選んでいる

不思議なレイアウトのクルマに事情や狙いはあるのか?

 どうしてそうなった⁉ と首をひねらずにはいられないクルマは意外なほどたくさんあります。たとえば、運転席を中心に横3人乗りレイアウト。一般的な左右2脚というクルマに慣れた目から見れば、「ちょっと意味がわからない」てなことに。あるいはV型エンジンを横置きマウントというのもミッドシップならまだしも、フロントノーズに納めているのは合理性に欠ける気が。せっかくだったら縦置きにしたらいいのに、どうしてそうなった⁉ と不思議でなりません。そんなクエスチョンマークが浮かぶクルマをチェックしてみました。

マクラーレンF1

 マクラーレンにとって初のロードカーとなった1992年のマクラーレンF1は、いうまでもなく鬼才ゴードン・マレー渾身の1台。ですが、運転席を車体のセンターに配置して、左右いくらか下がったところに2脚のシートをオフセットしたのは誰もが驚かされたはず。

 これは、ドライバーを文字どおりクルマの「ど真んなか」に配置することで、最高の視界に加え、フォーミュラカーのような一体感を得ることが目的だったとされています。実際、乗ってみるとその感覚はフォーミュラのそれに等しいもので、たとえ助手席に口うるさい女房が乗っていようと集中力は切れません(笑)。

 また、このオフセットを利用してラゲッジスペースが確保されているのも有名なエピソード。マレーはよほどこのアイディアが気に入っていたらしく、自身のブランド「GMA(ゴードン・マレー・オートモーティブ)」のフラッグシップモデル、T.50でも同様の横3人乗りの設計としています。

マトラ・シムカ・バゲーラ/ムレーナ

 バゲーラ、ムレーナともに横並びの3人乗りで、運転席はセンターでなく左右どちらかに配置されています。往年のベンチシート的なスタイルですが、これがフランス人には大いにウケた模様。ケチというか、極めて合理的なフランス人は、スポーツカーといえども、スペース効率や乗員数に優れること=名車と判断したのでしょう。実際、両モデル合わせた生産台数は5万台余りと、なかなかのスマッシュヒットとなっています。

 もっとも、このうちムレーナは3年間で1万台ほどの生産に終わっています。これは、マトラがPSAグループを脱退してルノーとの協業を選んだから。一緒にエスパスを作って大成功を収めたものの、以後3人乗りスポーツクーペは生まれることがありませんでした。


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石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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