「二度見」確実の「異形っぷり」! 日本車じゃ絶対あり得ない海外のぶっ飛びデザインカー7選 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■海外メーカーの奇抜なデザインなクルマを紹介

■攻めたデザインだったのと同時に価格も高めなものが多くて成功例は少ない

■マイナーチェンジで普通のデザインに戻してしまったクルマもある

日本車の攻め方が可愛く見える海外の奇抜デザインたち

 価値観や時世の流れもあり、例えば1950年代のテールフィンのアメリカ車などは、今日の日本人の目には「奇抜」とか「ファンタジー」なものとして映るので、どちらかと言えば、テクニカルなチャレンジをともなった結果として、形が常識離れになったものを中心にチョイスしたい。

フォードGT

 フォードGTと言えば、クルマ好きの間で話題となった2019年公開の映画『フォード vs フェラーリ』で、ある意味主役となった1960年代中盤にル・マン連覇を成し遂げたレーシングプロトタイプ、フォードGT40のリメイク版として2005年に初代が登場している。

 クルマに詳しい人が見れば、GT40とフォードGTとの違いは一目瞭然だが、そうでない人にとってはフォードがGT40をリプロダクションした、と言われても信じてしまいそうなリメイクぶりだった。それに続いて2代目のフォードGTが登場したのは2017年のことである。2代目は初代と変わらず、誰が見てもGT40へのオマージュは感じさせたが、ダウンサイジングしながらパワーアップしたエンジン、そしてなによりも明らかに空力性能を向上させた洗練されたスタイルが注目を浴びた。

 そのパフォーマンスに関しては、レーシングカーばりのCFRP製モノコック、ミッドシップマウントした656馬力の3.5リッター“エコブースト”V6ツインターボ、というスペックからも推して知るべしだが、デザイン的には建築用語で“飛梁”を意味する、フライングバットレス的なアプローチのピラー内を空気が通り抜ける、意訳すればトンネルスルー型ピラー形状が実に斬新だった。

 同様のアプローチのピラーはフェラーリの588GTBフィオラノやマクラーレン570Sにも見られるが、フォードGTの後方へのキャビンの絞り込み、そして逆に後方に向かって広がるようにリヤフェンダー上に基点を伸ばしたピラーのデザインは、“空気の流れが素人目にも見える”という意味で最高にぶっ飛んでいる。

プリマス・スーパーバード

 アメリカ車といえば、デザイン先行のイメージが強いが、こちらはロジカルに生み出された“ぶっ飛びデザインの極み”。1950年代後半からアメリカの若者たちを魅了し始めたホットロッドムーブメント。そこ生まれた“速くてスリリングなクルマ”に対する要求への答えとして、1960年代前半からメーカー自ら、大型車用の強力なV8エンジンを、アメリカ車としては小型のインターミディエイトクラス車に搭載したホットロッド的グレードをカタログモデルとしてラインアップするようになる。

 それが今で言うマッスルカーのはしりだ。そして、次にメーカーが目を付けたのが、マッスルカーを使って行うレースのひとつであるNASCARだ。当時は「NASCARでの勝利が何物にも勝る新車のプロモーションになる」と言われ、メーカーはこぞってNASCARスペシャル的な車種を発売することになる。

 中でも熱心だったのがクライスラーで、すでに最高速度が200mph(時速320km/h)に達しようとしていた1960年代末、フロントにスタビライザー(高速走行時の安定性を高めるという意味合いだ)として巨大なノーズコーンを備え、ヘッドライトもリトラクタブル式に変更、さらにルーフラインも軽く凌ぐトンネル型のリヤウイングを備えて、見事レース車両が200mphを超える最高速度を達成したのがダッジ・チャージャーデイトナである。

 その翌年、基本的には同様のエアロディバイスをチャージャーの兄弟車であるロードランナーにセットしたのがスーパーバードである。ところで、昨今の常識ではリヤウイングの天板の位置はルーフ面と同じ高さがベストとされるが、スーパーバードのそれはルーフラインの遥か上をいっている。

 その理由がじつにアメリカ的で、ウィングの基点がトランクリッド側でなく、それを両サイドから挟むリヤフェンダー上にあるため、ちゃんとトランクが開くように、という配慮かららしい。

モーガン・スリーホイーラー

 つい最近まで日本でも購入して合法的に走らせることが出来たクルマとして、これほどまでにぶっ飛んだデザインのクルマはほかになかった。ヒストリックカーに詳しい方ならば、モーガン・スリーホイーラーと言えば、1930年代から生産が始まったオリジナルをご存じのことと思うが、じつは昨今まで新車でオーダーできたモーガン・スリーホイーラーはアレとはまったくの別物で、2011年に完全なる新型車としてリリースされたものである。

 エンジンはアメリカのハーレー用サードパーティ・エンジンメーカー、S&Sの2リッターVツインが搭載されている。そして変速機は意表を突いて、マツダの5速MTが組み合わせられていた。クルマの見た目からは、高回転型のエンジンをぶん回して乗るように思えるが、実際はその真逆で、ビッグVツインの走りは、低回転でトルクが盛り上がり、結構な振動も伴う、古き良き時代のアメリカンスポーツにも通じるそれ。

 全体的にスローな乗り方が最高に気持ちいいが、その気になればテールスライドを駆使したサイドウェイも可能。実際にドライブした経験からも、風や振動は想定内だったが、小さい車体の割に、意外や小まわりが利かなくて四苦八苦したことを思い出した。


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